数のない夜  足摺   


 ・旅の途中でひと声叫ぶ。聴きたくないひとは読まないほうがいい。

平家物語 巻の三に「足摺」がある。
能や芥川龍之介の作品にも登場する僧侶、俊寛のお話。

平家に謀反を企てた俊寛らは、流刑地で罪を償っている。
そこへ恩赦の知らせが届くが、俊寛の名だけがない。
砂浜で、身もだえし足摺りして千切れる思いで船を見送る俊寛のさまをなぞらえ、
足摺りとは、口惜しさと、どうしようもなさのことをいう。

シワ コ が、夜間に放し飼いをしている犬に突然襲われ咬まれた。
寺の境内で、賽銭泥棒よけに放している大きな和犬だった。
住宅地だったから、そんなこととは知らず、散歩で境内を横切った。
シワ コ が盾になり、わたしは無傷だった。

シワ コ の傷に、住職のそれからの数々の無礼に、
胸がよじれる思い。
これを足摺りという。



シワ コ は急所を咬まれましたが命に別状なくちゃんと餌も食べ排泄もできます
[PR]
by NOONE-sei | 2008-07-27 23:03 | 数のない夜(23)


<< 数のない夜  祓え給え ときおりの休息  六  町屋の幸 >>