毎年、心待ちにしているリトグラフの賀状。 いつもゆっくりと届くのだが、いつも待った甲斐がある。 今年のは流行の話題なので、人の記憶にある旬なうちに書かなくては。 触ると表面にふくらみまである、花びらが開いたような六角皿が葉書の真ん中に。 色は灰色がかった渋みのある銀で、華やかな皿ではない。 錦の色で描線が施してある。 地図?どこかの国の輪郭線?天地を逆さにしてみたり、水平にして目を凝らしたり。 わかった。 後方にのけぞる、リアルに太ったイノシシ。 何故に皿の上で? 謎解きに毎度悩むわたしのために、ヒントが表書きに記されていた。 ■ 2007年 亥(ゐ)年の賀状 ゐのboar ひび新たに 銀板の氷上で、亥(ゐ)がアイススケートの技、イナバウワーをしているから「ゐのboar」。 皿を亀の甲羅に見立て、さらに銀板に見立てている。あらら、駄洒落るつもりじゃなかったが、、。 亀の甲羅に見えた訳、それは、甲羅のように「ひび」のような模様だったから。「ひび新たに」。 吉兆を占う亀の甲羅の上で今年の干支がのけぞって、日々を新たにしてくれる。 目出度い。 追って・・・しまった見落とした。英和辞典で調べるのを怠って、目出度いのはわたしの頭。 イナバウワーを連想させておいて、もうひとつ語呂遊びが隠れていたとは。「ゐ」も「boar」も同じ意味、どちらも「イノシシ」。 ・わたしの、語呂遊びの素 一昨年の賀状 語呂合わせ 昨年の賀状 たっぺらな犬 * * * 昨年の今日も、こうして91夜を書いていた。 不思議な偶然。 いつも言葉を掛けたり割ったりして語る百珍だけれど、日数(ひかず)まで合わせて 仕掛けを予定していたわけではない。 新々百夜話、三百の夜話も終焉にあとすこしだ。 近づくにつれ、即興で書く故の拠り所のないおぼつかなさや、削(そ)ぐような感触が増す。 拙い夜話に、あともうすこしおつきあいください。
by NOONE-sei
| 2007-01-11 15:12
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