今月の日曜日はどれも特別だ。 芋煮会をしなくちゃいけない。きっと、この地の人たちはだれもがそう思うんじゃないかな。 それなのに雨続きで、夜は雷が鳴って、 今日の芋煮会の予定がつぶれた人は大勢いるんじゃないだろうか。 バーベキューとは言わない。 河原で石の炉に火を炊いて鍋をかけ、芋煮汁を作り、湯気の立つどんぶりからふうふうと食う。 主役は芋煮汁だけれど、脇役はおにぎりだっていいし、でもそれは無くたっていい。 具の無くなった鍋にうどんを入れて食うから。 実際には、焼きそばや肉や海鮮も焼くけれど、無くたって芋煮があれば芋煮会だ。 秋の収穫祭に米。でも、里芋がとれるとそれは特別なこと。 特に里芋が好きだというわけでもないわたしでも、芋煮には胸が躍る。 登山客へも、地域の運動会でも、白鳥飛来の歓迎にも、秋祭りにも、 振る舞いといえば芋煮。 地域の婦人会というのだろうか、女性たちがエプロン姿で大鍋を煮てくれる。 きっと今日もそうした行事なり、会社の親睦会だとか子供会だとかの予定なりがあっただろうに。 今日は、もうひとつ気の毒な行事があった。 わたしにとっては毎年のことだから、行事という感覚なのだが、 東日本女子駅伝が、今年はこの寒さのなか行なわれた。 町の中心、県庁を出発して何十キロもたすきリレーをする。 扇状地なので、山に向かってなだらかな坂道がずっとずっと続く。ほんとうにずっとだ。 うちのすぐそばを通るのでよく応援に行くのだが、沿道で応援する人の必ずひとりは一緒に走る。 ある年は子供だったり、ある年はおじさんだったり。 じかに走るさまを見ると、どれほどの速さなのか一緒に走ってみたくなるものらしい。 けれど、それは想像以上の速さなので、選手たちはあっという間に駆け抜けて行ってしまうが。 今日の選手たちは気の毒だった。 顔を叩く雨をぬぐうこともせず、もくもくと走る。 体中の熱を速さに換え、肉も骨もエネルギーに換えて走るんだろうに、雨は熱を奪う。 今年の沿道には、一緒に走ってみる人はいなかった。 もう、初雪も間近にちがいない。 昨日から雨は降っていたけれど、今日の雨は冬の雨だ。 みぞれまじりの雨って、こんな雨のことを言うんだろう。 物知らず、言葉知らずのわたしでも、肌に感じる冷えた雨だ。 参考:芋煮のお写真はこちら
by NOONE-sei
| 2006-11-13 01:12
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