85夜 湯たんぽ


湯湯婆と書いて『湯たんぽ』。それが、湯婆婆と書いた『ゆばーば』に読めてしまう。
しかし見ようによっては、うちではそれが相応しくて毎晩母に湯たんぽをこしらえる。
口いっぱいまで熱い湯を入れると、長時間高温が保たれ朝まで温かい。
自分で体温を調節したり寝床を体温で温かく維持できない母には必需品。
湯たんぽという言葉を忘れてしまった母は、これをこたつと呼ぶ。

寝る直前に風呂に入れても、どうして足が冷たいんだろう。
皮膚から吸収して脳を刺激する貼り薬はほんとうは上半身につけるのだが、
かぶれてしまうのでいつも足先につける。
そのあと皮膚の保護剤を擦り込むと足が冷たい。
小憎らしくてぎゅっぎゅと擦り込む晩もあれば撫でて擦り込む晩もある。

もどかしいのはきっと母もおんなじ。
憶えていることや忘れてしまうこと、理解できないことやまちがった理解をすること、
表わしたいことが言葉にならないこと、それが自分でもわかること、
母はときどきあちらとこちらの世界を行き来して、生きたひとも死んだひとも一緒くたになるけれど、
まったく行ったきりになるわけじゃない。

どんな人生を送ってきたのか今となっては母は語る言葉を持たないが、
きちんと化粧をしようとすることや食器を洗って片付けようとすることや洗濯物を干してたたむ姿を見ると、
身の回りを整えることをずっとやってきたひとなのだとわかる。
昨冬までは湯たんぽを自分でなんとかこしらえていたのもそうだ。
ひとつひとつなにかを失ってゆくのを見続けるのはたいそうつらいこと。
けれどもまだ残存する機能や能力をできるだけ維持させてやりたい。
それがきっと、「家で暮らす」、ということなんだろう。
しかたない。小憎らしい晩も可愛げのある晩も、湯婆婆に湯湯婆をこしらえてやろう。



今夜のお写真は常備菜を。

しょうがを使って
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たまねぎとかつおぶしと醤油



夏に漬けたフレッシュパクチーシードを使って
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しらすの水分を飛ばしてオリーブオイルと黒胡椒



山椒の葉と実を使って
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身欠きにしんと酢醤油







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テン コ ハウスが気になる犬




     
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by noone-sei | 2014-01-16 01:37 | Comments(2)
Commented by ひす at 2014-01-17 13:22 x
こんにちは。
うちでは自立移動式の湯たんぽがたくさんいるので、お湯を沸かしたりする手間はいらないのですが、
自立移動式ゆえに、自由気ままに動くため、
私の望む場所でなく、むしろなんとも言えない場所を陣取るため、
私はたいてい途中からそれらを避けて変な格好で寝ることとなります。
時には布団を取られたり…(=^^=)ゞ

でも温かさはぴか一!
(先代犬の、もこの「モコタツ」は暖かかったな~。)

お料理どれも美味しそうですね。
ビールが欲しくなる!

Commented by noone-sei at 2014-01-24 01:25
ひすさん、
>自立移動式の湯たんぽ
きゃははは そうですね、たくさんいますね♪
うちのはふだん一緒には寝ませんが、わたしがへべへべになるとがばっと抱きついて湯たんぽにさせます。
でかい重い湯たんぽであります。
そちらは、なんかころころと丸くて足の生えた湯たんぽ群という想像が映像で浮かびますよ。
もこはもはや湯たんぽではなくてこたつと化していたのですね?ぷぷっ

ぱっと見、地味~な常備菜におほめのことば、ありがとうでした♪
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