夕方、本屋にいたらあちこちからビービーと携帯電話の大きな音が鳴り出した。 するとそのすぐ後にぐらぐらと床が建物が揺れ出して収まらず、 電車が走っているわけでもないのにごうごうと音がして、 どうしたらいいかもわからず立ち尽くしてしまった。 その場にいた人たちも皆そうで、おそらく皆の脳裏によぎったものも同じだっただろう。 すぐに電話は繋がらなくなった。 王様に打ったメールは、夜になって津波警報が解除されてから届いた。 本屋で呆然としている時に大切な遠くの友人からのメールが届いたのは、 「ここにいるよ」という幸運のメッセージだったんだと思う。 皆が家路を急ぎ、小さな余震の中で車の運転をするのは怖かった。 原発に異常がないかということと、ガソリンが手に入らなくなるのかということと、 食べ物が手に入らない寒い日々を迎えるのかということが、 家族の無事を確認しなくてはという思いと同時に脳裏に浮かんだ。 津波は1メートルだった浜もあり、仙台では二千人が避難した。 余震だとはわかっていても、この大きさは尋常じゃない。 環境庁の会見をニュースで見ながら、とにかく母と夕飯を食べたら、 「非常時だから早く食べてしまうべね。それにしても国の役所は もっと安心させるようなことをテレビで言えないのかね。総理大臣がしゃべればいいんだ。」 母がしゃっきりとしているので思わず拍手をした。 いやになったり、怖くなったり、がっかりしたり。 でも、犬や猫は落ち着いており、母も落ち着いており、 今夜もちゃんとわたしをしっかりさせてくれる。 □311の前後に読んでいた漫画 本当に起こってしまうと刺さる。 日本SF大賞を取った時に、今のこの現実は予想できただろうか。 ・「華竜の宮」 この小説は表紙絵と題で損をしている。 ・本日の地震についてのニュース
by NOONE-sei
| 2012-12-08 02:18
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