1夜 「寒さも忘れる人と、冬を過ごそう。」


 ・メンタルな話なので引き寄せられる人は読まないほうがいい


母、はなちゃんが夏に緊急入院して、退院してから二ヶ月とすこしが過ぎた。
わたしはもうはなちゃんを家に帰したいと言って、病院から自宅に連れて帰った。病院や施設を転々とするよりも、家がいいと思った。
入院していた病院ははなちゃんが「食べる」機能を思い出す訓練を言語聴覚士にさせてくれた。
福祉に関わる大勢の人が計画を立ててくれ、毎日朝夕ヘルパーさんに助けてもらって、家での介護が手厚く受けられるようにできた。
寝たきりになったはなちゃんは、わたしが作るペースト食を食べる。訪問看護師が定期的に家でバイタルチェックをしてくれる。
往診を専門にしているお医者とも出会うことができた。お医者は、急変してもあわてて救急車を呼ばないようにと言った。
このウェブログを長く読んでいる読み手は、おや?と思わないか?父を自宅で看病したことと重ならない?

はなちゃんの介護ベッドの上には毎日ぺろてんが一緒に寝ている。
五年近い介護の中で一番穏やかな日々を過ごしていたのに、今度ははなちゃんの「飲み下す」という機能に異変が起きてしまった。
はなちゃんは認知症とパーキンソン病なので、脳からの食べろという指令が混乱し、飲み下す筋肉がこわばり始めた。
呼吸を確保するために喉に痞(つか)えた痰の吸引が必須で、これができないと自宅介護(看護)が崩壊する。
わたしは父の時にもそうしたように、いや父の時よりも頻繁に、吸引のチューブを使って苦しい息を和らげてやる。
もし、クリスマスになにかを願っていいなら、はなちゃんの意識レベルがすこしでも長く維持できますように、と思う。
意識が混濁し、昏睡するほうが本人は楽かもしれない。けれど、たまに電流がつながるようなわずかな会話の疎通を大切に思う。



                                *    *   *




よし、それじゃ、ささやかな聖なる夜のおはなし。
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クリスマスだね。
こんなカードをもらったよ。
今年は雪がほとんど降らなくて不思議な冬だよ。

ゆっくり絵本を読んでお昼まで過ごしてみる?

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ぶどうといちじくのおやつをどうぞ。


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こんな絵本があったよ。
わたしはこの訳者、村上春樹の小説を一冊も読んだことがない。


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こんなおじさんが登場するおはなし。


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おじさんに災難がいろいろ降りかかる。これを冒険と言っていいのかな?




次は、まど みちおの詩集。
このおじいさんが亡くなって、わたしはとても悲しい。
このひとの詩は胸が、なんというの、きゅんきゅん鳴るというの、きしきしと軋(きし)むというの、とにかく、なにかでいっぱいになる。
だれよりも、何か強いことばやちからで追いかけてきたりしない、静けさのある時間をくれる。

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なつかしい絵かきさん。


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うつくしい詩。





さてっ。お昼だよ。ごはんを食べに行こうよ。

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お昼にはちょうどいいごちそうだったかな?





さてさて。家では獣が待っている。
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獣たちと遊んでいたら夕暮れになってきた。
と思ったら、すっかり夜に。
冬の夜は早くやってくるから、なんだかそわそわしないか?

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獣にもごちそう
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# by NOONE-sei | 2015-12-25 11:59 | Comments(6)

100夜 百まで生きて


吾妻山に初冠雪があった。
山の鮮やかな錦繍(きんじゅう)も平地に降りて、街の紅葉も終わり、数日前にこの地では初雪が降った。
家はこたつを出して久しく、火の使えるストーヴにはやかんを乗っけ、鍋を載せ、煮込み料理を始めている。

今夜は「王様の千と線」の目出鯛100夜。
生ってなんだ、死ってなんだ。それを綴り続けて六つ目の100夜を迎えた。
死がころりと転じて生のおかし味となるようにと願いながら。
わたしの100夜はいつもそのようなおはなし。
思えば遠くへ来たものだ。

春だったウェブログが、冬の始めのウェブログになった。
久しぶりだね。

春は庭が花々で賑わったよ。
草むしりも追いつかないほど雑草の勢いと追いかけっこをした。
春眠暁を覚えず、夏眠は暁とともに目覚めるので、早朝に草むしりをしていたら
グーグルのカメラを屋根に付けた乗用車がすいーっと走っていって、
こんな鄙びた田舎道もいよいよ画像になるのかと驚いたりした。

夏には美味い桃を食ったよ。
畑ではミニトマトの生(な)りがたわわ、優等生のハナマルだったので、ドライトマトも作ってみたよ。
ナスやオクラやピーマンの花はたいそう可愛かったし、
毎日少しずつ実が生るというのも趣きがあってよかった。
しかし今年の夏は体温を越えた気温の日々が続いて厳しかったので、野菜は生るのがさぞ辛かっただろう。

虫にもたくさん会ったよ。
あちこちでセミの抜け殻も見つけた。少女の頃に瓶にたくさん入れて集めたという友人がいた。
カマキリの小さいのから大きいのも見た。腹をつまんで近くで見たら鎌を振り上げたいそう怒った。
ところで蟷螂(とうろう)って漢字は虫虫して目にも蟲っぽいけれど、
きっと虫じゃなくてコウモリだと思っていたらこれがカマキリだった。
コウモリのほうは蝙蝠と書く。なんだこっちも虫虫している。
カマキリの泡あわした卵を見つけたら、これがその年の雪の高さになるんだと教わった。

虫じゃないけど、おそらくもう冬眠しただろうから安心して報告。
今年はほんとうに久しぶりに長いものに出くわさずに済んだ。
庭の空池のそばに抜け殻だけは見つけてしまって、秋になるまで池には近づけなかったけれど。
その抜け殻は、千切って財布に入れるという友人に押し付けた。
この抜け殻というものは、なんと数えればいい?一本二本?それとも一体二体?
殻(空)になってぴらぴらしたものに一匹二匹と言うのは、なんだかちょと違うような気がする。

明日から十二月。
明日からは本格的な冬だから、十一月最後の今夜は滑り込むようにして秋の食事のお写真を載せてみるよ。
冬の長いこの地では、春や秋に採った山菜を塩漬けにしておいてその塩を使う毎に抜いては食する。
季節をなぞりながら思い起こしては大切に口に入れる食の豊かさ。
どうぞお写真を楽しんで、食を楽しんで、百の生(せい)を生きて。



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吾妻小富士は花嫁の綿帽子をかぶっている。



□山の山菜料理店 2012年秋の写真保管庫より
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キノコや木の実や山菜を保存している。


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白いのは白身の魚じゃなくてキノコ。


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山菜とイチジク。軽く燻製にした魚がちょこっと。


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赤いのは肉に見立てたキノコ。


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白いカボチャと赤いカボチャ。


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山のものや薬用人参の天ぷら。


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温かい椀物と柿のサラダ。


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根菜汁と塩に漬けておいたシソの実飯と漬物。食後に梨。




     
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# by NOONE-sei | 2015-11-30 11:57 | Comments(3)

閑話休題その弐 秋だから


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今夜も閑話休題。でもPCがすこしお利口になりつつあり、
そしてわたしもPCを開くゆとりを半年ぶりに手に入れつつあるので、
秋のお写真を載せてみるよ。といっても、ちょうど去年の今頃の風景なのだけれど。
お写真が保管庫にたくさん貯まっています。


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秋の安達太良はとても美しい。




□獣たちからもごあいさつ

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いちゃいちゃ


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ちょとうるさいです


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まあそう言わず



次の夜は100夜。
ちょと長いおはなしになります。
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# by NOONE-sei | 2015-10-19 18:34 | 閑話休題(22) | Comments(6)

閑話休題 春だから



PCが不調です。
天候が不順です。
テン コ がエイプリルフールに四歳になりました。
おめでとうのハム一枚を二口で食いました。
寒くて桜が長持ちしているけれど、
ソメイヨシノはぱっと咲いてさっさと散るのが似つかわしいと思います。

100夜を前にして、スマートフォンからおはなしをupしているのは悲しいので、
わたしのPC、がんばってくれ。

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今がこの地は一番の観光の時。
花見山を模した演出が駅前にも為されています。
スマートフォンで撮った写真はどう見えるのかしら?


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# by NOONE-sei | 2015-04-13 01:21 | 閑話休題(22) | Comments(6)

100夜ひとつ前  とくべつな夜


99夜には死のおはなしを 
100夜には目出度さを
 
褻(ケ)の場が晴(ハレ)の場にくるりと転じて100夜を迎えるような仕掛けの王様の千と線。
ほんとうなら、今夜が600夜目のおはなしなのだけれど、
今夜は3.11 特別な夜だからね、100夜のひとつ前というお題にするよ。


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畑ではフキノトウが、霜でかじかんだ土から芽を出したよ。


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庭では福寿草が咲いたよ。今日は雪が舞っていたというのに。



あれから四年が経った。
日々を静かに過ごしているものだから、悲しみは静かに閉じ込めて蓋をしておいたつもりだった。
だからテレビの特別番組には困った。
ほんとうに言葉が音としてしか聴こえなくなった母とふたり、それを観ながら夕餉をとっていたら、
画面に、あの日に生まれた東北の赤ン坊の顔がたくさん映し出された。
わたしの知人も、震災の翌日に出産して言葉にできないような思いをしていた。
画面を見た母が、「どの子どもも、みんなほんとにかわいいねぇーーー。」と無邪気に言った。
母から脈絡のある言葉を聞くのは久しぶりで、なんだかぐっときた。

そして次の場面で、うちから三十分ほどの小学校の子どもたちの歌声が流れた。
子どものひとりが、「こんなに、ストレートな歌詞を(仮設住宅や被災した人)みんなの前で、歌っていいのかな、と、
とても、まよいました。」と、ひとことひとことをかみしめるように話した。
わたしはその歌を初めて聴いた。
あまりに飾り気がなくて、直接的で、距離を置いて聴けなくて、泣けてきた。

阪神淡路大震災から二十年が経った。
でも信じられないニュースが絶え間なく続いたあの日のことは忘れない。
二十年目の日には、この地も揺れた。
神戸の子どもたちは小さな頃からその歌を歌ってきたのだという。
それを今、福の島の子どもたちが歌っている。

情感で歌われたらたまらないので、ロックバージョンをここに。



□習いごと その一
宮城の名取市閖上(ゆりあげ)で、赤貝が採れるようになったという。
福島の相馬では北寄貝(ほっきがい)漁が盛んだったのだけれど、
原発汚染水の問題で、まだ試験操業しかできていない。
それでも名産を知ってもらおうと、漁師の奥方たちが浜料理の講習会に来てくれた。
浜通りの気質はこの地のような中通りとはだいぶちがう。
二枚貝の開(あ)け方を楽しく教わり、試食し、礼を述べて解散の時になって、家も土地も船も流され、
地元の消防団として住民避難の誘導の最中に津波に巻かれた家族がまだみつからない講師もいたことを知った。

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貝の開け方、じゃなくて剥(む)き方


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刺身にするには身が不揃いの貝とねぎを刻み、味噌と砂糖で調理。


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北寄味噌。すばらしく旨い。


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いただいたレシピ集




□習いごと その二
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春の花のアレンジメント講習で作った花かご。




□美しい雪景色
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よく晴れた日曜日の山。


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雪面に映った樹木の影。葉脈という言葉があるのだから、これはさしずめ幹脈?


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樹木の根元は、よく見ると雪が少ない。樹の体温で溶けるのだろうか。


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あちこちに動物の足跡。


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スノーシューは初めての体験。雪景色、綺麗だろう?

いつもどおりに
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# by NOONE-sei | 2015-03-11 23:59 | Comments(2)