<   2014年 12月 ( 2 )   > この月の画像一覧

97夜 戴きもの


「戴く」と「頂く」は使い分けがあるのだとか。
むずかしいので、いっそ「頂戴する」では慇懃(いんぎん)だろうか?

年の瀬の運勢にこんなことが書いてあった。
「友情を確かめ合えるとき。生活先行で友との交流、助け合いをおろそかにしないで」
痛い、痛い。耳が痛い、目が痛い。返すことばもない。
わたしは人に良くしてもらうばかりでちっともお返しできていないのだ。
今に始まったことではないというのがわたしのおめでたいところ。
どれほどおめでたい脳みそかといえば、来年のヒツジ年をヤギ年などと大真面目に思っていたようなところ。
漢字で表わしたら羊と山羊だろう?いっそ山羊羊(やぎひつじ)で一緒くたでは乱暴だろうか?

とても久しぶりに会う友人たちと、数日前に忘年会をやった。
のんびりと飲む昼を過ごそうと、山をいくつも越えて猪苗代に行った。
道々、いくつものスキー場や除雪された路肩を見ながら、山越えまでして行く忘年会って、
よほどの気合いだと笑った。
それもそのはず、その朝は雪もないほどの冷気で我が家の水道はみな凍った。
家中の水道が蛇口をひねっても水が出ない。
前夜の星はとても美しく光っていた。
冬は油性ボールペンのインクの出が悪くなる。車の中に置いたカメラは電池が効かなくなる。
水道が凍るほどの寒い日の空はすっきりと青空だ。

朝、雪が降っていたら取りやめます、という但し書き付きで予約したのに、
店はちゃんと準備万端で出迎えてくれた。
万障繰り合わせて集ってくれた友人たちに感謝、お店に感謝、、、 あれ?
そうだったそうだった、おめでたいわたしはすっかり肝心なことを忘れていた。
酒を飲まない王様が、酒飲み四人を車に乗せて運んでくれたんだった。
その(ご)好意に甘え、全員、昼からへべへべに酒を頂戴しました。有り難う。


□忘年会
c0002408_38261.jpg
お献立?お品書き?


c0002408_391292.jpg


c0002408_393559.jpg
大皿から取り分けて。匙にはフォアグラのクリームにベリーを載せて。乗せて?いや、載せて。


c0002408_3101526.jpg
ショートパスタ。丹波猪のラグー オレキエッティ。
意外なことに白ワインが合うのでびっくり。


c0002408_3135381.jpg
豚バラ肉のポルケッタ。


c0002408_3153116.jpg
ドルチェは林檎の塩キャラメルとメレンゲの焼き菓子。






□戴きもの
ここ数年、大切な友人たちから戴いたものの数々。わたしったら戴きっぱなしのようなものだ。


・関東の友人から
c0002408_3214534.jpg


c0002408_32249.jpg
缶詰にキャベツを入れたのはわたしね。

c0002408_329374.jpg
このとき戴いたのはパンじゃなくて器ね。


・関西の友人から
c0002408_323626.jpg


c0002408_3232220.jpg
戴いたのはサラダじゃなくて点心ね。


・南の島の友人から
c0002408_3315688.jpg


c0002408_3233986.jpg


c0002408_3235166.jpg



・地元の友人から
c0002408_3241088.jpg
猫は紐をほどけない。




□差し上げたもの
c0002408_475576.jpg
秋のこと。
王様には畑仕事を教えてくれるひとたちがいる。
わたしはそのおじさんたちを「畑の先生」と呼んでいる。
冬に向けての野菜の苗の心配をしてくれて、なかなか植え付けの時間が作れない王様のために
ついには植えていってくれたひとりの「畑の先生」に、
お礼にうちの庭のマム(小菊)やハーブを生けてアレンジして差し上げた。
おじさんより奥方が喜んでくれた。

鰐号にもらったもの
[PR]
by NOONE-sei | 2014-12-30 23:59

96夜 贈りもの


今夜はイヴだね。

あっという間に季節が駆け抜けてもう十二月だよ。
雪もたくさん降って、木に白い雪の花が何度も咲いたよ。
この地は北国ではあるけれども、あんまりさっさと雪国になったので驚いてしまったよ。

先日、王様とわたしの友人がはるばる関東から遊びに来てくれたんだ。
彼は海からすぐ山のところに住んでいて、思い切って仕事を辞めてお百姓になった。
代々の山の畑を受け継がなくてはならなくて。
どうもてなそうかとすごく考えて、楽しく考えて、東北の楽しさをあげようと思った。

着いた晩はこの地の美味しい物ということで、餃子の店へ。
「ごはんないの?」と訝(いぶか)る彼に、「餃子は主食。中華屋の肉々しい餃子を思い浮かべちゃだめ。
野菜のつなぎに肉みたいな軽さだから一人二十個は食べられる。」そう答えて、二軒をハシゴした。
温泉の風呂に浸からせてやりたかったけれど、ちょとそれには時間が足りなかった、残念。

翌日は宮城の松島へ。
島々の綺麗さも見せたかったけれど、それ以上に牡蠣を食わせたかったんだ。
今年の牡蠣も、昨年のようにまだ小さいし牡蠣小屋の期間も長くはないけれど、
炭火で焼いて食った牡蠣殻をブリキのバケツにがしゃっと入れるのはきっと気持ちがいいから。
「ごはんないの?」やっぱりそう思う?「牡蠣が主食。一人十五個は食べられる。」
ほんとうは牡蠣めしがあるのだけれど、早い時間に売れてしまっていた、残念。

午後は仙台光のページェントへ。
夕暮れの欅(けやき)並木に一斉に六十万個の灯りが点く瞬間を見せて驚かせてやりたかった。
点灯まですこし時間があったので、彼の「ごはんないの?」に応えてやることにした。
牛たん焼きと麦めしとテールスープの定食屋へ。

仙台カラーと言われる白熱灯色の電球はLEDだけれどあたたかなだいだい色。
「震災後の復興はどうなの?」と彼に訊ねられて、
震災の年の暮れには、倉庫ごと流されて失くなった電球の代わりにと全国から電球が貸与されたこと、
松島では昨年からやっと牡蠣小屋が復活したこと、
三陸へ行く高速道路でCDの音が飛ばないくらいに道路が復旧したこと、
その高速道路で波がせき止められたこと、飛行場も自衛隊もビール工場も今は稼動していること、
車の中でいろいろな話をして、やっと気づいた。
毎年、松島や仙台に行くのは、復旧の確認なんだってことに。
復興とはまだちょっとちがう。わたしの中では原発であらゆるものが分断されたこの地で
具体的にこれがとかここがとか、復興していると言えるものがまだない。
同じ東北でも、この地ではない場所に復旧のしるしを見に行っているんだなぁってことに。

彼は311の後、流通が回復すると炭や軍手を送ってきたやつ。
そのときの彼からの贈りものと、このたびの彼への贈りものは形も大きさもちがうのだけれど、
贈りものをしたつもりでやっぱり「考える」という贈りものをもらったんだな。
帰ってから彼からこんな便りが届いたよ。
「おもてなしってさ、腹いっぱいにしてやることだよね!」
すごく嬉しがってくれた彼に、わたしたちのほうこそ嬉しかったと伝えたい。

c0002408_5212766.jpg
牡蠣はいつも載せているから今夜は帆立を。


c0002408_5222494.jpg
ぷくぷくしたら食べられる。


c0002408_523428.jpg
いつもは漁師のおじさんやおかみさんがやってくれるのだけれど、
もう顔を覚えてくれたようで、自分でできるよね、という気持ちのいい放っておかれ方。
友人にもやらせてみた。心ゆくまで二枚貝の開け方を覚えることができたよ、ふふ。




                            *  *  *



さて  
今夜は特別な夜だからね。
獣たちがご挨拶するよ。


c0002408_5155259.jpg
シャンパーニュのコルクが飛ばないように抑えてある金具で王冠を作ってみたよ。
ものすごく迷惑そうだけど、テン コ がんばれ。


c0002408_5171633.jpg
トナカイの角の間に王冠を載せてみたよ。
あさってを向いちゃっているけど、ペロ コ がんばれ。


それじゃ、杜の都の夜に出かけよう。

c0002408_5283617.jpg
ショウウィンドも華やか。


c0002408_530993.jpg
ここはかばん屋さん?


c0002408_53194.jpg
なんだかかばんもふわふわ。


c0002408_5315734.jpg
赤いものを集めたウィンド。


c0002408_5323895.jpg
子どもが白ひげをつけちゃって。


c0002408_5344044.jpg
ここは恋人たちの森だね。



さ、寒くなってきた。森のレストランへ行こう。
洒落た店が増えているけれど、ここは昔ながらのレストランだよ。


c0002408_5373061.jpg
食事が運ばれてくるよ。


c0002408_5384120.jpg
まずは前菜をどうぞ。


c0002408_5391424.jpg
澄んだスープです。


c0002408_5395865.jpg
メインのビーフシチュウを召し上がれ。


c0002408_541486.jpg
甘いものをどうぞ。そして苦めの飲み物も。



あったまったかな?
さぁ帰ろう。つづきは次の夜にね。
今夜は贈りもののおはなしだったから、次の夜はいただきもののおはなしを。

舞台裏
[PR]
by NOONE-sei | 2014-12-24 23:59