<   2013年 09月 ( 2 )   > この月の画像一覧

76夜 春の足跡  七 餃子屋の女子校生


この地では、餃子をフライパンに丸く敷き詰めて焼き上げ、
そのまま丸い皿にかぱっと移し変えて、
それを主食のようにたっぷり食うのが普通で、
餃子だけを商っている店も昔から当たり前にあった。
街にも温泉町にもそうした店はいくつもある。
だから、わざわざ地名を冠した、例えば宇都宮餃子というような名称を聞いて不思議だった。
だとしたら、この地、福の島は大いばりで餃子が名物である。

一杯やりに街の路地の餃子屋に行くもよし、
温泉町に湯をもらいに行ったら、帰りに餃子を食って帰るもよし、
家で白飯と一緒に食いたければ、電話で注文しておいて店に取りに行くもよし。
餃子は昔から、気取りのない食べ物だった。
一皿に二十個くらいは並んでいる。

中華料理屋の餃子は肉が主張する一品(ひとしな)だろう?
肉饅頭や小龍包のように点心で飲茶をするとか、
ラーメンや炒飯におかずとしてもう一品とか。
せいぜい一皿には八個くらいだろうか?

わたしが馴染んでいる餃子は、細かく刻んだ野菜がたっぷりだ。
肉に刻んだ野菜を混ぜ込むというよりも、野菜が主役で肉はつなぎだ。
皮は粉に店それぞれの配合があって、一枚ずつ手延べし、包んだら丸く並べてぱりっと焼く。
外側はぱりっとしているが中はふんわりと柔らかい。
小ぶりであっさりしているのでたくさん食う。
もしかしたら一般的に思い浮かべる餃子を期待したら少し違うかもしれない。

ある日の夕方、温泉町の旅館で風呂をもらって、帰りに母と餃子屋に寄った。
その温泉町はわたしが生まれ育った山あいの町ではなくて、
昔、泊りがけで競馬を楽しみに来る客で賑わった町である。
今では新幹線で短時間の移動が可能になり、わざわざ泊まって芸者遊びをする客も少なくなった。

その町の餃子屋には地元の住人も来るし、
夜遅くなれば旅館の泊まり客が小腹をすかせて浴衣姿で現われる。
もっと遅くなれば、宴会を終えてコンパニオンレディたちを伴った泊まり客の一団が
酒の肴に餃子を食いに来る。
ラーメン屋に餃子があるように、なかには餃子屋にラーメンがある店もあって、
その餃子屋でわたしたちは、餃子を半皿とラーメン一人前を頼んだ。
ふたりならそのくらいの量でちょうどだ。

わたしたちが行ったのはまだ陽のあるうちだったので、
別のテーブルには女子高生がふたり向かい合って座っていた。
注文したのはわたしたちと同じ、餃子半皿とラーメンひとつずつ。
ふたりは仲良く半分こをしながら食っている。
部活動の帰りだろうか?そんな量で足りるんだろうか?

ああそうか。
学校の帰り道、肉屋で道草してコロッケを食いながら帰ったわたしの小娘の頃とおんなじか。
ということは、家に帰ったら、今度はしっかり夕飯を食うということなわけだ。
温泉町の女子高生は、コロッケの代わりに餃子を食うのだな。
なんて素敵なんだろう。



■餃子
以前のこと、鰐号が帰省したときに温泉町の餃子を食わせに連れて行った。
c0002408_411640.jpg



c0002408_4105841.jpg
息子とビールで餃子をつつく。
お写真は二軒だけれども、この晩は三軒梯子、王様は酒を飲まないのでわたしと鰐号が互いに注いで。






今夜のお写真は庭の春の花、つづきからおしまいまで



□花とりどり
c0002408_3381740.jpg
庭に手を入れて、梅雨の頃に この牡丹を植え替えた。
するとわたしの花ともだちがびっくりして、牡丹は植え替えしちゃいけないと言った。
すでに済ませてしまっていたので、その女ともだちは園芸図鑑を見せて教えてくれた。
花の機嫌を損なうのだと彼女は言った。
わたしも園芸図鑑が欲しい。


c0002408_338698.jpg
この地の県花、シャクナゲ


c0002408_3365099.jpg
ツツジか?サツキか?


c0002408_3351343.jpg
ツツジ?


c0002408_335341.jpg
名前がわからない。


c0002408_3345388.jpg
エビネだったか?


c0002408_3344149.jpg
シラン


c0002408_3342142.jpg
シャガ


c0002408_3341141.jpg
オダマキ

寝ていたのに
[PR]
by noone-sei | 2013-09-14 23:59 | Comments(10)

75夜 春の足跡  六 重陽の節句


昨日は九月九日、重陽の節句。
菊の節句とも言うのだって。

季節の歳時には気がつかなかったが、だいぶしっかりしてきた菊が気になって、今朝は雑草抜きをした。
雑草の勢いははげしい。菊が隠れてしまうほどの背の伸び。
雑草も種類によって伸びる時期がそれぞれにある。

菊が咲くのはまだもう少し先のこと。ちょうど秋彼岸あたりからだ。
春の花の可憐さや華やかさに比べると、秋の花は地味だと思わないか?
これからコスモスも咲くけれども、そんなふうにさやさやしていて風に揺れる花って、
春にはあまりないかもしれないと感じるのはわたしだけ?

秋は、花を終えて食べる実のなる季節、
だからつい、鑑賞するばかでかい菊の花よりも食用菊のほうが気になる。
今年の梅雨どきには、いままで生えるに任せていた菊を 王様がちゃんと手入れした。
すぐに根付くよと裏の工場のおじさんには笑われたけれども、
手入れするとなればちょっと本気が出る。
それでは、と、おじさんが『もってのほか』という菊の、収穫時期に差がある数種を分けてくれた。
ちょっととは言えない責任が重大、食するのを楽しみにして収穫を待っているひとも遠くにいるから、
王様はなおなお責任が重大。ふふ


・こころがけ

時間の使い方が上手じゃなくてウェブログの更新頻度が減ってしばらくになる。
頭の中にはおはなしが、PCにはお写真もあるのに、季節を逃(のが)してばかり。
でも、おはなしを書く気持ちは失くしていないよ。
だから、追っかけ追っかけの春の写真をまだ載せていても笑って見ていて。

「王様の千と線」ではほとんど下書きなしに、夜中に一気におはなしを綴っていたけれど、
即興のような文章の書き方がむずかしくなってきた。
思いついたら走り書きをするメモでは、ちっともおはなしにまとまらない。
それで、外出して時間ができそうな時にはPCを持ち歩くことにした。
夜話でありながら、PCには昼間に書きかけの下書きを入れ始めてみたよ。
お写真の整理もちょこちょこと始めたよ。

どうしてもっと早く気がつかなかったんだろう?
あいかわらずののろのろだけれども、やってみると気持ちがウェブログから遠ざからない。
ほんとに、気づくのものろのろだったのだなぁ。



今夜のお写真は、春のわが家の庭の花。
夏も終わりの今だから、春の花って特別だということがよくわかる。

□五月の花々

c0002408_205778.jpg
リンゴ


c0002408_203320.jpg
スズラン


c0002408_202232.jpg
クリン草


c0002408_20917.jpg
カイドウ

ね?
春の花は春の色をしているだろう?春の花はまだ次の夜もつづく。

相談しよう
[PR]
by NOONE-sei | 2013-09-10 23:59 | Comments(6)