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44夜 ひととせ 


「思い出す」ようにと、新聞もテレビもこぞって311を特集している。
それは、「忘れない」ためにという働きかけなんだろう。

「思い出す」ということと、「忘れない」ということは、
似ているようでいて、実はまったく違うような気がする。
けれども「忘れられない」こそ、「思い出したくない」と濃厚に繋がっているようにも思う。

夕べも今夜も、たびたび余震がある。
思い出さないわけがないのだ。
記憶に刻んださまざまな出来事は、何も見なくてもちゃんとなぞれる。

一年(ひととせ)の三月十一日には、テレビを観ないで過ごそうね、と友人と約束した。
彼女は一年を支えてくれた布雛作りをして静かに過ごすという。
わたしはいつもどおりに母とお茶を飲み、その時間がきたらそっと手を合わせるつもりだ。
玄関には春の花が生けてある。




□あの頃わたしを支えてくれた音楽
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三月は家から一歩も出ずに、必死に家族を守っていた。
そんな緊張の日々のお供をしてくれた音楽たち。
友人から戴いた井上陽水はレイ・チャールズとよく似た顔なので中央に置いてみたよ。


次の夜からは、この一年の漫画や音楽のおはなしをしてゆこう。
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by NOONE-sei | 2012-03-11 01:05 | 趣味の書庫話(→タグへ)

43夜 雪のいろいろ


昨年の桃の節句は福寿草が咲いた。
まだ雪はあったけれどもフキノトウも見ることができた。
今日は雪が、もさもさと降る。
雪の様子を表わすのにはさまざまある。
しんしんと、はらはらと、ぼさぼさと、どすどすと、もさもさと。
量が多くなるにつれ、表現が美しくなくなる。

夕暮れに雪道を運転していたら、街灯に照らされたケヤキ並木の枝々が、
たくさんの雪を被って花が咲いたようだった。
桃の節句だけれども、まるで白い桜のようで、これは桃雪(ももゆき)?
いや、そんな雪の呼び名はないんだが。

先日、突然の不祝儀で上京した。
震災以来、北に行くのは平気だけれども関東まで足を伸ばして留守にするのは抵抗があった。
トンネルをたくさん抜け、がたぴしの線路をゆく道々、
新幹線ってこんなふうだったかしらん、と、なんともいえない気分だった。

朝の早い出発は、雨男の王様が気合いを入れてくれたせいでみぞれ雪、
東京はどんな天気か寒さか、と思ったら温かで驚いた。
この地では皆が着ているダウンコートを持たずに行って正解、ウールの上着で十分だった。
東京では雪を表わす表現はあるのだろうか。

夜遅くに帰ると、翌日、ひどい腰痛になった。
思い切って療術院に行ったら、手技でほぐしてくれたんだが、なんと初めての針治療を受けた。
「見ますか?」と言われたが怖くて針が見られない。
だから表わす言葉が見つからない。
けれども体に受けた刺激はもちろんわかる、ちくちくだ。
これって、一月の刺すような寒さに降る雪の痛さに似ている。




                        *   *   *



愛機バンコランが不調になってきて、入院させなくちゃいけない。
保管庫に撮り貯めたお写真があるので、しばらくの間それらを載せていこうと思う。

今夜は、約束どおり、雛ならぬ鳥のお写真などなどを。


□足跡いろいろ
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晴れた日中に犬の散歩をしていたら、
田んぼから田んぼへと道路を悠然と横切る大きな白鷺(しろさぎ)を見た。
遠くにはカモが遊んでおり、夜中に懐中電灯を持って愛機バンコランを携えお写真を撮った。
これは白鷺の足跡。大人が掌(てのひら)を広げたくらいの大きさがある。


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これはカモの足跡。よちよち。


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これは犬の足跡。てけてけ。




□雛の足跡
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友人が、「お雛祭りだからね。」と、手作りのつるし雛をくれた。
「苦が去るように、上に九つの猿っこを乗っけたよ。下げてあるのも九つね。」
あちこちの町でつるし雛祭りが催されている。
一年かけて少しずつ作りためたさまざまな種類の布雛を一時(いちどき)に飾って、
多くの目を楽しませる祭り。多くの女の人たちが一年分の成果を持ち寄る。
311からまもなく一年。
女の人たちは、こうして黙々と手を動かして気持ちを積んで来たのだなぁと思わされる。
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by NOONE-sei | 2012-03-03 01:48