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1夜 弁当今様 


「王様の千と線」には、名前を持つだれかのおはなしをあまり書かないのだけれども、
お母さんになったこのひとのおはなしは1夜や100夜に書きたくなる。
くるりちゃん。
娘さんからお嫁さんになってお母さんになった今も、
一度もお会いしたことはないのに、もしかしたらお会いするよりも高い純度で
いつも幸せを願っている。

くるりちゃんの子どもは、赤ちゃんから子どもになった。
でも子どもというものは大人の縮小形じゃなくて人間未満の存在だ。
日々のことを綴るウェブログを読ませてもらうたびに、
くるりちゃんの泣き笑いや成長や、素直なことばの数々に、じんとなる。

ずりずりとハイハイすることをずりばいというのだって。知っていた?
二人目の赤ちゃんが生まれ、今ではその子がずりばいをするようになった。
幼稚園児の一人目を気づかいつつ子育てしているくるりちゃん。
これは、二人目を産むときと産んでからの、一人目リュウちゃんとのおはなし。



   文章は掲載された原文を編集させていただいています

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※お産の前にしておくこと・・・

入院している間は夫や母にリュウのお弁当を作ってもらわなきゃいけないので、
どんなお弁当を好むか、どんな感じで詰めてるか、色々書いておきました。
それを見た夫も母も「これじゃ変わり映えがしない」と言うわけです。

そんなことはずっと悩んでたし、だからリュウに嫌がられてもキャラ弁にしてたし、
それよりも、オムライスとかサンドイッチとか頼んだら作ってくれるのか~ 
・・と言いたいけど黙っておく。

2人からしたら何気ない言葉だろうけど日々自覚してるだけに引っかかるのよね。
どれだけ変わり映えのするお弁当を作ろうとしてるんでしょ。
別に自由に腕を奮っていただいて構いませんが。
残してこられてきっと落ち込むだろうな。

うちのリュウみたいな偏食息子には、
「変わり映えのしないお弁当」が一番なんだと思ったりもしてたりして。
今日はどんなお弁当だろうと期待してるんじゃなく
お弁当なんか早く食べ終わって遊びたい、そんな子供ですから。
でも「ママが喜ぶから頑張って」全部食べて来ます。



※現在のお弁当は・・・

リュウが生まれて五年、
いまだに息子の食の好みが掴めません。
掴める気がしない・・。



※ある日のできごと・・・

ショウ、発熱。ショウは平熱がそれ程高くないので辛いみたい。
いつもより長く寝てました。
日曜は少し元気が出てきましたが、夜、大量に戻しました。
まだ治るには時間がかかりそうです。

ショウが戻してあわてている時、リュウが手紙をくれました。

「りゅうより
まま かはイイあかちゃん △△(ショウの名前)お
うんでくれてありがとう」


こちらこそ
生まれて来てくれてありがとう。
それだけで充分嬉しいのに
優しく育ってくれてありがとう。

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ああ、もう、泣いてしまう。
ところで、偏食息子のリュウちゃんは、今ではキャラ弁にも興味を示さず、
好きなように食べているとのこと。母と子の知恵比べ我慢比べは、まだまだつづく。
子どもは自分は忘れてしまうのに、親に思い出をくれる生き物。


今夜のお写真は、くるりちゃんのキャラ弁。

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ピグモンのお弁当


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言わずと知れたバルタン星人のお弁当                       foto by kururi



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昔の弁当箱

その後
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by noone-sei | 2011-02-27 00:10

閑話休題 ふたたび


この地には足の神様がいて、二月十日には山道を登って参拝する。
昼間に大きなワラジを男衆が担いで町を練り歩き、山の神社にそれを奉納した後、
夜になってから皆が山に参る。
「暁まいり」という参拝は縁結びでもあり、一年で一番寒いこの時期の山道は
雪が積もっては日中に表面が融け、夜にふたたび凍るのでつるりんつるりんと登れない。
だから男女は手を取り合って登ることになる。
三年続けて登ったら結ばれるという言い習わしがあるというわけ。

今年は積もるほどの雪がなくてつまらない。
雪道を下りながら眺める市街の灯りはえもいわれぬ美しさなのに。
わたしはこの地に人を招くとしたら、四月の末の、花が狂ったように一斉に咲く数日間と、
二月十日の暁まいり、この二度の機会だと思っている。
けれどもいままで、うまくぴたりと招くことができたのは数えるほど、
暁まいりに連れていってやれた客人はまだいない。
だれか遊びに来ないものか。


                 *  *


ふたたびの閑話休題です。
ちかごろのことを書き綴ってみることにします。



巷で風邪が流行っているせいか、それとも父の命日に気を張ったか、
それとも新しいひととの出会いがあったからか、知恵熱を出して寝込みました。
酒が飲めなくて悲しいし、布団に寝ているとこの世のすべてから置いていかれたようで悲しくて、
休養はかえって気が塞いで悲しかった数日でした。


父の命日は、丸三年経ってようやく法事のない日になりました。
本家から女の人たちが、重箱を持って訪問してくれ、墓参ののち昼食会をしました。
重箱にはきのこごはんと、白菜漬け、酢大根、カブをヨツヅミという実で赤く染めた漬物が。
かしこまった仏事ではないので、白い野菜が多くて色がさみしいこの時期、
秋に採っておいた赤い実で白い野菜には色をつけて漬物にし、
塩で保存しておいたきのこをごはんに炊き込んで食べます。
わたしは根菜の煮物を用意して迎えました。
なんということもない、昔から食べているようなごはんを持ち寄り、
昔から、こんなふうにして女の人たちは法事がなくとも忘れず故人を偲ぶのです。


新しいひととの出会いは、わざわざ場を作ってくれた労がありました。
わたしには時々立ち寄ってお茶を飲む店があって、そこで客は皆思い思いに過ごすのですが、
店主とわたしは年が近いせいもあってすこしだけ話すこともありました。
店主はひとりの女性をわたしに紹介するために早仕舞いしてごはんの夕べを催してくれ、
ご自分も含め同じ年頃の女性三人でおしゃべりする機会を設けてくれました。

その店はいつも丁寧なごはんを心がけているカフェで、
その晩は、塩コンブとサツマ芋の炊き込みごはん、ホウレン草のゴマ和え、
たっぷりの野菜と蓮根団子と春雨のスープ、自家製卵豆腐、国産レモンのケーキ。
お店なのに、思いもよらずご馳走になってしまいました。

白熱灯の照明で心地よく、三人は「ちいさなひとつ」をそれぞれ持ち寄り話しました。
店主は高村智恵子の切り絵の図録を 紹介された女性は小さな内裏雛を
わたしは今年の年賀状の原版を。
なんということない雑談もわるくないけれども、なにかについて話すというのは大切なことで、
ひととひとの関わりにそうした縛りはいい方向に働きます。
大人になってから初めて友人になるということはたいそう難しいことで、
こんな知恵がほどのよさを保つ秘訣ではないかと思います。
そして敬語も、ね。

次回もちいさな夕べを約束していて、次は「遺言状を書こう」というお題。
ちょっと驚くかもしれないけれども、三人とも大切なことだと思っていたとわかりました。
このあたりがわたしと関わってくれる女性たちらしいでしょう?
店主に、お店の採算とはちがうところで夕べを開いてくれた、その理由を聴きました。
「楽しいことを愉しもうというところ、なにか悲しいと思うところ、
その波長が近い人たちなのではないかな、と思えたからです。」という答えでした。
どうぞゆるゆるとこのおつきあいが続きますように。



□マーマレードのケーキ

ケーキはほとんど焼いたことがありません。
ちいさな夕べへの手土産に意を決してオーブンを使いました。
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卵の白身を泡立てて。これを角が立つくらい、というの?


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アーモンドプードルというのはフランス語?
マーマレードとアーモンドのパウダーと小麦粉とベーキングパウダーと砂糖と卵の黄身。


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白身をさっくりと混ぜて。さっくりというのはこのくらい?


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型に流し入れて表面をならして。


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180℃のオーブンで約三十分焼く。なんかちょっと表面が焦げたかも、、。


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しっとりしているケーキです。もともとの夏みかんという素材がいいので、とてもいいお味。
腕前はともあれ、何度も作ってみたくなる魅力あるケーキ。魅惑のケーキと名づけよう。

ちかごろの犬たち
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by noone-sei | 2011-02-14 00:10 | 閑話休題(22)

閑話休題


百のおはなしには、ひとつおまけをつけなくちゃ森のあやかしがついてきてしまうので、
・・閑話休題です。

焦るやら不安になるやらこれからどうしよう。

百で終えようと思ったはずなのに五百も書いてしまって、
なんだかバチが当たりそうでこわいような気がします。
あとは千までゆかなくちゃ、という気持ちと、
千まで行けなかったらどうしよう、という気持ちと、
千まで行ってしまったらあとはどうしたらいいんだろう、という気持ちでぐらぐらします。

料理は載せない、犬の写真は載せない、そんな縛りはとうに解(ほど)いてしまったし、
いったいどこまで緩めてしまうんだろう。

わたしは、わからないから書いていました。
物知らずなので、訪問してくれる読み手に教わることがたくさんありました。
それを 「文章対話形式」と呼んだかたがいました。
一方的におはなしを書き連ねていたようでいて、ほんとうは対話に支えられていたのだなぁ。



五百は千の折り返し、
また1夜から、わからないながらも力まずに始めようと思います。ゆるゆると。
・・でいいかしらん?


                         * * *

□実のなる木
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冬に生るのに夏みかんって、名前がおかしくないか?冬みかんじゃないのか?
こんな大きな物が木に生ること自体、信じがたい。 ・・それで、雪の中に置いてみました。


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わたしの大好きなものに、「送ってしまえ」方式があります。
怖い本は送ってしまえ、手がかかるものは素材のまま送ってしまえ。
そういうわけでうちにやってきたみごとな夏みかん。


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マーマレードのレシピつきです、わくわく。


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皮を剥いて白いところを削いで。


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細く刻んで。


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茹でこぼしを四回。


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実は皮からはずして砂糖をまぶして。


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鍋のひとつにはジンを もうひとつにはブランデーを少し入れて一時間ことこと。できあがり。
こんなふうに夢中になって無心に手を動かすのはいい気持ち。
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by noone-sei | 2011-02-01 00:10 | 閑話休題(22)