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68夜 ときおりの休息 参  夏の誕生日


七月に生まれたひとが周りには結構いて、
おめでとうを言う機会が今月は多かった。目出鯛。
猫の仔は、夏仔は弱いとか聞くが、人は、夏生まれは育てやすいと聞く。

鰐号も誕生日に憧れの甲子園で阪神×巨人の対戦を観たくて、
それで切符を取ってしまってから未知の関西に連れて行けとわたしを担ぎ出した。
甲子園でというのは亡くなった父の夢でもあったわけだが、
日頃の行ないに疑問符のつく鰐号の憧れが、そう簡単に実現するわけもない。

それでも試合の中止はぎりぎりまで決定されなかったので、
アルプス席に座ることができただけでも上等、
翌日の切符はなかったがやっぱり甲子園に行き、
雷の中で試合中止のアナウンスを聞き、
集った観客達と一体になってがっかりすることができ、
憧れを次回に繋ぐことができたんだから十分だったろう。

帰ってくると現実は待ち構えていて、
予定通り、王様は鰐号が開けた穴を塞ぎに大学に行き、
ついでに、予想通り卒業単位の不足を知らされ、
親への呼び出しはこれを最後にさせるべく鰐号にはきつく対処するという、
楽しいことの後には後始末があった。
誕生日の後も楽しく暮らしているのはペロ コ ばかりである。
・・二歳になっちゃって、おまえはだいじょうぶか、ペロ コ 。



□あしあと
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朝、雨の京都駅に夜行バス到着。
ガメラが映画の中で壊した京都駅はここなの?


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京都駅の地下鉄。


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地下鉄ホームの足もと。


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河原町から大阪梅田へ。


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大阪環状線。梅田駅にはたくさんいろんな線の駅がありすぎる。広すぎる。
でも不思議と人とぶつからないので、なんとか歩ける。


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地下鉄にっぽんばし。


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なんば駅と梅田駅。
もう、自分がなにに乗っているのか、このころになるとさっぱりわからなくなっている。
駅員さんに何度訊ねただろう。


□おまけ
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観戦するはずだった甲子園球場。
鰐号とは球場で待ち合わせのはずだったので、結局わたしは行っていない。
     

□二歳の犬
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by noone-sei | 2010-07-27 00:59 | ときおりの休息 参(12)

67夜 ときおりの休息 参  旅してきたもの 


雨を待っている。
関西の旅から戻ったこの地は、かの地での雨から一転、夏の暑さ。
この夏初めての蝉の声を聞いた。暑すぎると小さな虫はおらず、鳥も鳴かない。

家の中でいちばん涼しいのは石敷きの玄関。黒い、硯(すずり)にする平たい石。
そこで寝そべる犬のために、外に打ち水をしたり凍らせた飲料容器を傍に置いてやる。
その冷気に扇風機を当てて、クーラーの代わりだ。

旅から戻った昼に、空ではごろごろいいだすが、なかなか雨にならない。
三時を過ぎ、落ち着かなくなって呼吸が荒んできたシワ コ を外の犬舎に連れてゆく。
雷と雨が近づいたことをいち早く察するのはシワ コ 、
そしてうっかりしようものなら脱走して捕まえられないのもシワ コ 。
犬舎の周りに打ち水をし、保冷剤を周囲に置いて扇風機を当て、
ペロ コ にも犬舎に付き合わせる。じつは雷を一向に気にせぬ犬なんだけれど。

空が暗くなってきた。
山から雲が下りてくる。
鳥もざわついてきた。
今朝から空振りしていた雨も、いよいよ降るだろうか。

東風が西風に変わり、風がすこしひんやりしてきたら、空が光った。
稲光(いなびかり)と雷鳴と落雷音の時間差がなくなったとたんに、
すぐそばで落雷、ざあっと雨が来て、冷たい風が吹き込み、
・・ネット回線が不通になった。

京都は雨、甲子園は雨で試合中止、翌日の大阪はうだるような暑さ、
甲子園は雷でふたたび試合中止。
旅から戻ったこの日の雨が最後の雨、わたしは梅雨明けと旅してきたのだろう。
この雨は各地でわるさをしたのに、まったく降る気配がなくなってしまった。
ここ数日、この地で雨を待っている。

ところで、待っていたものがもうひとつ。
日頃は携帯電話を持たないが、旅の間だけ連絡のために持たされた。
これほどかと驚かれるほど使えないから、会う人ごとに、
また、鰐号に頼んではメールを打ってもらったり電話してもらったりした。
それでも片時も離さず持っていたのに、旅から戻ったら失くしていた。
大騒ぎして探し当てたら、それは夜行バスに乗ったままもう一度関西への旅をしていた。
わたしより数日遅れで旅から戻った携帯電話、おかえり。



お写真は、初夏から盛夏にかけてわが家に旅してきたものたち。



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山形から旅してきたさくらんぼ。

   茎右往左往菓子器のさくらんぼ   高浜虚子

友人から教わった句。ほんとうだ、茎が右往左往しているように見える。
携帯電話を失くして右往左往したわたしよりもずっと可愛げがある。


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その友人の関東から旅してきたカメラ。名はバンコランという。
もうひとつのレンズは南の関東から旅してきた。
不器用で、手に馴染むまでに時間がかかるので、お写真の披露はまだ先。


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九州から旅してきた美味しいものたち。ぴよぴよ。


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大阪から旅してきた美味しいものたち。感謝感謝。


関西にゆくたびに、「ときおりの休息」を書いてきた。
このたびは三度目だから「ときおりの休息 参」。
書き終えるまできっとまた時間がかかることだろう。のんびりおつきあい願いたい。
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by noone-sei | 2010-07-22 03:21 | ときおりの休息 参(12)

66夜 山形美人


10夜にわたって書き続けた書庫まつりは、本日より平常運転。
音楽のこととか準備はしていたのだったが、ちょと先送りに。
あ、以前友人から送っていただいた音楽など、書きたいことは憶えていて、いつか書くから。

さて山形美人。
庄内美人とか秋田美人って、本当だと思う。
わたしの住むこの地から北、水のいいところには、色白の美人さんがほんとうにいて、
その肌の美しさにはほうっとなる。
しかも、わたしの願望じゃなくて、古典的な日本女性の感情を持ち合わせているものだから、
すこしにくらしい。

今夜は人間じゃなくて、それほどに美しいという山形美人をはじめとするさくらんぼのこと。
先日、山形でさくらんぼ狩りをした。
さくらんぼは、この七月にはもう佐藤錦はおしまい。
けれど、今は山形美人やナポレオン、ダイアナ、南陽、そして今注目の紅秀峰。
品種の食べ比べという贅沢なことをする機会があったんだが、それぞれに味わいがちがう。
しかも、同じ品種でも実のなる樹木によってもちがいがある。

宝石のような果物、さくらんぼ。
いつもいつも思うことだけれども、このいろいろなお味を味わわせてあげたい。
ひとつひとつちがうのだよ、おなじじゃないのだよ、さくらんぼの木ははしごをかけて登るんだよ、
そのようなことを笑いあって話したい。
そして、やっぱりさくらんぼを果物の女王と思ってしまうこの季節のにくらしさなんかを。

さくらんぼ、いろいろ



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昨年もおなじようなお写真を載せたっけ。
こんな小さなものでもたわわというの?・・それも昨年書いたなぁ。


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光っているさくらんぼ。


さて、これから関西に行ってきます。
夜行バスで鰐号と。鰐号の目的は甲子園球場、わたしは引率に駆り出されたというわけ。
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by noone-sei | 2010-07-13 20:06

65夜 うろんな書庫まつり 四 番外編

Book! Book! Sendai 2010レポート その4 おわり


一箱古本市を順調なすべりだしで迎えた昼どき。
王様から「どぉ?」と電話。
「お昼に行ってきまぁす、と行ったきり戻ってきません・・」と吉田屋遠古洞さん。
ふたりは兄と弟のように仲が良くて、たいへんよろこばしい。
留守の間も吉田屋さんとわたしの本は売れていたそうだし。
・・って、そういう話ではないのだったか。

実はそのころ、うろん書店店主のセイは、一人でうろんな行動をとっていた。
「うろん」とは胡乱と書く。簡単に言うとあやしいという意味。
路地裏というの?裏路地というの?
商店街の華やかさから横道に逸れると、わくわくするような細い路地がある。
その裏路地が気になってしかたなかったのである。
店番を吉田屋さんにお願いして、うろうろうろと横丁を徘徊、別世界に紛れ込んでいた。

商店街の横に数本ある横丁は戦後の名残り。
仙台は空襲を受けているので、戦後の焼け野原の露天から市場へ、
そして映画館ができて娯楽が生まれ、仙台で最初に復興したのがこの界隈。
街が整備されビルが建ち、華やかで整然とした街並みになったけれども、
この界隈には当時の匂いが残っている。

うろうろして入ったのは小さな寿司屋。
狭いその通りには寿司屋が何軒もあるので不思議だ。
「お昼、食べられますか?」
と、のれんをくぐったら、お客が一人いて、
そのおじさんはカウンターで冷酒を飲みながらお好みで寿司をつまんでいる。

寿司屋は親方というの?大将というの?
握るのは息子に任せた大将がテーブル席に居て、わたしにカウンターの奥を勧めてくれた。
昼は驚くほど安価で、敷き葉ランに一個付けで丁寧に握ってゆっくりと置いてくれる。
スズキの昆布締めが旨くて常温でお銚子を一本頼んだ。
鳳陽というその地酒も安価で、初夏に合うさらりとした美味さ。
カナガシラという魚を初めて知った。
さりげない会話もちょうど良く、最後は初物の枇杷(びわ)を出してくれた。

ひとり蕎麦屋とかひとり寿司屋とかが平気って、わたしはおじさんかもしれない。




□横丁のお写真
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壱弐参(いろは)横丁


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横に並べて二枚のお写真。
この横丁には「New Elegance(ニューエレガンス)」という素敵な喫茶店があって、
京都の「イノダコーヒ」が味わえるのだそう。礼儀正しい接客で、年配の客もくつろぎに来るとか。
喫茶店っていい感じ。こじゃれていたら緊張する。
普通のおじさんが静かにたばこを吸ったり新聞や本を読んだりする場所だと思う。
そしてそういう場所をカフェとは言わないんじゃないかな。




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文化横丁

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横丁の建物のひとつを裏から見た窓。


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横に並べて二枚のお写真。
活動写真館「文化キネマ」があったから「文化横丁」と呼ばれるのだとか。


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新富寿司。いい昼だったから写真はないが、こんなお店で、こんな店内



■おまけ

ハランとは
カナガシラとは  (生魚の写真なので、苦手な人は見ないほうがいい)
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by noone-sei | 2010-07-08 01:13 | 書庫まつり(12)

64夜 うろんな書庫まつり 参


Book! Book! Sendai 2010レポート その3


本を買おうというきっかけは、なに?
本屋で背表紙が光って呼ぶ、わたしの場合はまずそれが多いのだけれども、
よく考えてみると、なにも下地(したじ)がなくそんな現象が起こるとは考えにくい。
本が人を呼び寄せるのか自分が本を呼び込むのか、
背表紙が光るのは、つまりは本が人を呼び寄せるからだろう。
では本を呼び込む自分って、なに?
過去から現在に至るまで、嗅覚がなにに働いてきたかという、長い時間を経た下地なしに、
本と自分の関係ってあるんだろうか。

自分の嗅覚だけを頼りにしていると狭い所に入り込む。
かといって、新聞や雑誌で書評を読んだとか、帯の推薦文を読んだとか、
近頃よく読まれているらしいという評判を聞くだとか、
そういった、互いの趣味を知っている友人以外の者の紹介文には慎重になろうと心掛けているのに、
それでも気になってしまう本というものがある。

だいぶ前から気になってしかたがなかった本があって、
活字本はできるだけ避けて通ろう、漫画だけを十分に愉しもうと思っているのに、
それでもそれはどこかでひっかかっていた本だった。
「死」の匂いが鼻について離れなかった。

伊藤計劃(いとう けいかく)という作家が遺した
「虐殺器官」「ハーモニー」「伊藤計劃記録(遺稿集)」が手元にある。
まだ恐くて読めない。おそろしいのではない、彼の死の影がいたましいのだ。
この三冊は、本がわたしを呼び寄せたんだろうか、自分が本を呼び込んだんだろうか。
 ・・作家が本を使ってわたしを呼んだんじゃないだろうか。



□書店員POP大賞
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仙台にはそれぞれ特色のある書店がある。
期間を定めて書店員渾身の推薦文(POP)を集め、投票した書店員POP大賞


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「虐殺器官」が入賞でじつはびっくり。しかもこのPOPの主が男性と知って二度びっくり。



□通りの風景
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楽器店にて音楽を。

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 orahoさんと、たくさん話を聞かせてくれたヤンマさんのブース。
布製品は、会津木綿を一度洗ってから、デザイン通りにおばあちゃんたちが縫うのだそう。

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東京から参加の集団わめぞさん、後ろも本棚さすがの陳列。

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木箱を組んで。

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ここで五百部限定復刻版「鎌鼬(かまいたち)」(写真・細江英公 舞踏・土方巽)を見つけた。

このほか、同郷の、本の路地裏さんをみつけてあいさつ。
お客さんとして来てたくさんお喋りしてくれた駄々猫舎さん。
【風の時編集部公式ブログ】仙台の原風景を観る、知る。には「ブックマーケット その1」から「ブックマーケット その9 (ラスト)」までの記事に、ひとつひとつ参加店の写真レポートが載っている。


□店じまい
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□打ち上げ
仙台から戻って吉田屋遠古洞さんたちと。

つづき                                   
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by noone-sei | 2010-07-03 03:25 | 書庫まつり(12)

エキサイトからのお知らせ



最新記事のおしまいに、広告表示が強制的に入ることになったそうです。
シンプルな良さがあったのですが、大変に残念です。

「王様の千と線」では、行間をいくつ空けるか、おしまいの日付までの余白をどのくらいとるか、
文の行替えをどの長さでするか、全体が目に入ったときの余白の量などなど考えながら、
読むのは文字であっても、絵のようなつもりで一夜一夜をレイアウトしてきました。
詩が目で見る絵であることはよく知られていると思います。
わたしの文章は散文であって詩ではありませんが、
「絵のような文のような」の心構えで綴ってきました。

広告部分が絵の一部になり得るとは思えませんが、
折り合ってゆくほかありません。

「王様の千と線」にまるで世の中が突然流れ込んで出現したような、
違和感があるでしょうがどうぞすこし我慢して、これからもおつきあいください。


                                            
                                             セイ 拝
                                         


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山で撮った小さな柚子の花。この地は、柚子の北限と言われています。
棘があるのですよ。
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by noone-sei | 2010-07-02 02:02