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59夜 綺麗な絵本の書庫まつり 

 ・あらすじが最後まで書いてあるので、購入予定の人は読まないほうがいい


「鼻のこびと」

むかしむかし、ドイツのちいさな町に靴屋の夫婦がいて、
可愛い子どものヤーコブは母が野菜を売る手伝いをしていた。
いじわるなばあさんの客がやってきて、野菜をさわり文句を言うので口答えをしてしまう。
その家までヤーコブはいやいやながらも野菜を運び、スープをごちそうになった。
すると眠ってしまい、薬草の香りで目覚めたら鼻の長いこびとの姿に変わっており、
驚いたことに月日は七年も過ぎていた。
わかってもらいたくて両親に会いに行ったけれど、
むかし子どもがさらわれた不幸を逆なでするとはと、
革の束で叩かれ、不条理なことに、ぼろ犬のように追い払われてしまう。
それでも自分の力で生きていかなくちゃならない。
夢の中で七年間、ヤーコブはばあさんの元でリスになって料理の修業をしていたので、
お城の料理人に志願し、ついに国中でいちばんの料理長になった。
ある日、市場でガチョウを仕入れたら、なんとヤーコブのように魔法をかけられた娘だった。
そのころお城に大切な客人があり、毎日ちがう献立でたいそう喜ばれたのだが、
これほどの料理人がなぜ「パイの女王」を出さないかと問われる。
ヤーコブはそれを知らなかったので娘が味の秘訣を教えてくれ窮地を逃れた。
秘訣は薬草であり、ヤーコブはやがて、元に戻れる薬草も探し出す。
元どおりの体になって、両親に会いに行ったら喜んで迎えられましたとさ。

・・清楚な絵でありながら、やりきれなさの残るこわいこわいお話。
でも、料理の場面には躍動感があり、お話にでてくる味見の金のスプーンで、
わたしもひとくち喉に入れて目を閉じてみたいと思う。


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リスベート・ツヴェルガー絵
ヴィルヘルム・ハウフ作/池内 紀訳
太平社 刊



今夜のお写真は、ちょと時季はずれになってしまったのだけれど、春の野菜を。
もっと、撮っておいた美味しい野菜のお写真が待っている。
次の夜にも、おっかけおっかけ載せていかなくては。

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行者にんにくとくきたち菜。


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庭にこんなふうに生えている。


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三つ葉とルッコラはサラダにして生で。


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大きなザルに入れた野カンゾウは茹でて酢味噌で。クレソンは生で。
名がわからない菜はオリーブオイルとにんにくと鷹の爪でさっと炒め、岩塩で。
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by NOONE-sei | 2010-05-26 03:14 | 書庫まつり(12) | Comments(12)

58夜 青い書庫まつり


昨秋、シルク・ドゥ・ソレイユが東北公演をするということを知って、
個人でチケットを手に入れるのはなかなか骨が折れた。
それから半年以上も経ち、やっと公演を観ることができた。
装置や衣装や照明、肉体はもとより、生の音楽も美しかった。
まだ呆けていてなにから書いていいのかわからなくて困る。

この集団を知ったのはカルガリー冬季オリンピックからだろうか。
けれど、初めて日本公演をするまで、なんというか、
趣味性が強く、こんなに官能的で演劇的な祝祭空間を作っているとは知らなかった。

カナダに本拠地を置き、設立から二十五年、
四千人もの人間を抱える巨大集団になったシルク・ドゥ・ソレイユは世界中でショーをやっている。
オリンピックのメダリスト、ダンサーなど肉体言語者、歌手、演奏者、道化師。いないのは動物。
二十五年間、そしておそらくこれからも創り続けることができることに驚く。

訳せば太陽のサーカスという意味だそうだが、本当にサーカスだろうか。
もとよりサーカスとしては見ておらず、舞台として捉えていたから、
このたび初めて観て、やっぱりそうだったと思った。

観たのは「コルテオ」という舞台。
天に召される直前に見る道化師の夢まぼろしの葬列。
仲間や天使や人のようで人でないものなどに囲まれ、美しい歌や楽器に囲まれ、
ときに静けさ、そしてたいていは賑やかさに送り出されて、
自転車に乗って天国にゆく。
それを見送る観客も幸せな気持ちになる。




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いざない



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大きな大きなテント



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円形劇場、中央にステージ



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エントランステントの床は色の照明が足元を追う



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本日の演目



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大きなテントの入り口へ向かう



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こんな入り口から祝祭空間へ



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行列



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ベッドで飛んで跳ねて



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高い高い天井からシャンデリアが吊られ回りながら踊る。



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小人のアダージョ、頭上には天使がいて雪を降らせる。



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自転車に乗ってクラウンが昇天する。写っていないが、この下では大勢で大車輪ぐるぐる。




シルクドソレイユ ホーム(日本)
各ショーの物語のあらすじが読める

シルクドソレイユ ホーム コルテオ(英語版)
View Trailerをクリックすると動画が見られる

ほぼ日刊イトイ新聞
「シルク・ドゥ・ソレイユからの招待状。」



□おまけ
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仙台の愉しみは本屋にゆくこと。
この書店、UPという小冊子を無料で置いているんだが、
数年前に、記事を連載している学者の文章が読みたくて定期購読で取り寄せていたっけ。
(2001~2003 橋本毅彦「学問の図像とかたち」、現在は
「描かれた技術 科学のかたち」として単行本化されたが、
わたし個人は小冊子時代の、随筆のような物語のような味わいが好きだった。
単行本化するにあたって大幅な加筆修正がなされて、アカデミックになったのはすこし残念)

仙台は本の楽しさを広げる市民活動もさかんで、「6月の仙台は本の月」、
街のあちこちで本と出会うのだそうだ。
一箱古本市という、すてきな古書店ごっこがあって興味惹かれる。
遠巻きにながめるだけじゃなく ・・わたしも参加できるかも。
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by NOONE-sei | 2010-05-16 02:21 | ときおりの休息 杜の都(4) | Comments(6)

57夜 百花の書庫まつり


遠くに見える吾妻山の雪がずいぶんと融け、
白くくっきりと跳ねていた種蒔きうさぎの、耳が短くなってきた。
安達太良はあと数日で山開き、
山に雪はあるけれど、装備がしっかりしていれば登れるくらいには融けた。

この地の桜はおしまい、山桜が薄い桜色でぽつぽつと山に見える。
とうに花桃はおしまい、実のなる桃の花選りも終えた。
綿羊ロードの果樹畑には林檎の花が咲いている。

先日入った川沿いの露天風呂には冬眠から覚めた「『長いもの』が寝そべっており、
山もすでに春になった。
川べりに『長すぎるもの』がいるのは、考えてみれば当たり前で、
よく岩の上で寝そべっているのだから考えなくてもわかるはずのことだった。
風呂そうじのおばさんが棒を持って退治にきてくれて、
「風呂に入ってたべか?」
「いやいや、風呂のぐるりの木の廊下に。」
「何色してたべナイ?」
「いやいや、これこれこんな形状で(ほんとは言いたくない)」
「んじゃ、かかってこね(こない)。マムシでねぇから。
 ひなたぼっこしてたんだべー。」
「昼寝?」
「いや、ひなたぼっこだぁ。もういねぐなったから、もういっぺん風呂入んなさい。」
「いや、その・・(ぜったいに露天はもういやだ)
 内風呂に入りますから、はは。」
『あれ』も目覚める頃。寒いからとたかをくくっていたわたしが大馬鹿。

山は根雪が残っていてこれからが春。
ひと山越えれば猪苗代、まだこれから桜が見られる。
日曜日に、桜好きの母を連れて行ったが今年の冬は長くて明けていなかった。
この地はすでにハナミズキ、かの地は桜がまだつぼみ。



今夜のお写真は、かの地の雪と、この地が百花繚乱だったとき。



■雪
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猪苗代付近から見る磐梯山。
手前に写るのがまだつぼみの桜。


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山越え途中の鬼面山。


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鬼面山と白樺。


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ブナと白樺。風雪で曲がっている。
樹木はとても人体に似ていると、山に行くといつも思う。ダンスをしているようだ。





■花
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桜と菜の花。


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花桃と菜の花。


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花桃とコブシ。それともモクレン?


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花桃と連翹。


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花桃の山。






□おまけ
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一輪草だろうか?





□おまけのおまけ
冬から春の初めに読んだ漫画群。
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「ワンピース」は映画を観たので非売品の「ワンピース零(ゼロ巻)」をもらった。

一條裕子とよしながふみはなんだか読後感が似ている。
切なさをざっくりと腑分けして、感傷をソテーしてしまって、魔法のような旨い料理に変えて
ぱくりと食べてしまうようなおそろしさ。

鶴田謙二は面白いと思うし絵も上手いんだが、星野之宣と共通していて女性像が画一的な気がする。
彼らの妄想の中の、この世にはもういない女性像だと思うしかない。

ガンガンは「鋼の錬金術師」の読者プレゼントが欲しかったから。

「present of me」は表題作がいちばんよかった。

吉田秋生は、読み手が言葉にできないで抱えているものをざっくりと切って言葉に置きなおしてくれる。

小田ひで次は面白いところもあるんだが、もっと作家の自我や情緒を抑えて欲しい。

「くらしのいずみ」、こんな漫画を淡々と描いていってもらいたいと思う。

いわずもがな「獣の奏者」、漫画が完結したら小説も読んでみよう。

「観用少女」、こういう作品をわたしは少女漫画と呼びたい。
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by NOONE-sei | 2010-05-05 03:03 | 書庫まつり(12) | Comments(10)