<   2009年 10月 ( 1 )   > この月の画像一覧

30夜 ときおりの休息 弐  白い月


月を撮ったことがない。

夕暮れの月の、なんという大きさか。
比べるものが周囲にあるからだと教わっても教わっても、
あの尋常でない大きさにはあっぱぐちを開けてしまう。
その大きさのまま、月は夜の天辺(てっぺん)に昇るのだとはとても信じられない。

ばかでかい月が顔を出した頃、周囲にはさまざまな色があって、
夕暮れが一日のなかでいちばん色に階調のある時間だ。
月にも色はあっただろうか。
それはそれはどぎつい色の月を見たこともあったろうに、
なぜかわたしの脳のなかでは月に色がない。

色のない月はつまらない。
視力が悪いからウサギも見えない。
ただの丸い皿だ。

では、よく脳に言い聞かせて月に色を戻してやれと思うのだけれど、
色を戻したら星も色を得るだろう?
この地では夜の天辺が見えすぎる。
月も星も落ちてきそうでこわい。
だから、白い書き割りでいいんだ。



c0002408_161849.jpg
塾で供えた月見だんご。

c0002408_122656.jpg
大阪の月見だんごとおはぎ。

昨年の大阪の旅で寄席に行った。
繁盛亭のある天満天神商店街で、作りたての餅菓子を売っているがあって、
目の前で作る白い手が美しくて写真に撮らせてもらったことがある。

当たり前に食しているものにびっくりされたりさせられたりするのは、たいへんに面白い。
月見だんごは鶴の子のような雲形で餡子(あんこ)が載っている。
上等な香りの青海苔がまぶされたおはぎは中に餡子が入っている。
十五夜にちょうど届くようにくだすった方に、
わたしは醤油をたらすのかと訊ねてしまったが、このおはぎをたいそう気に入ったのは母で、
こんなに手をかけて作られたおはぎだとは、と感心するから、
また大阪に行く理由ができたようなものだな。



今夜は、白と子どもに掛けたお写真を。


■旅で見かけた子どもたち
c0002408_147320.jpg
商店街の布地店で、乳母車に乗る子ども。


c0002408_1482062.jpg
阪神電車に向かう途中、動く歩道を駆け抜ける子ども。
電車に乗るときも駅の階段でも、関西と関東・東北は、並び方が逆だ。


c0002408_150735.jpg
神戸南京町に遊びに来ていた子ども。
子どもなら脱ぎたくなるほど暑い日ではあったが。


c0002408_1512024.jpg
神戸居留地では、美しい町並みを乳母車を押しながら歩く
若い母親たちを何組も見かけた。
[PR]
by noone-sei | 2009-10-06 02:00 | ときおりの休息 弐(8)