ときおりの休息  十一  あやしげな薬


ガマの油売りの口上を聴いたのは幾度かある。
蛙のおばけが鏡に映った自分の姿を見て、汗がたらぁりたらぁり、
その汗を集めたものがガマの油なのだったか?
テレビで見た口上のおじさんは、袴(はかま)をはいてたすきがけ、
髪は五分刈り、手に刀を持っていたような。
自分の腕を切ってみせるのが怖かった。

生で口上を聴いたのは紅テントの花園神社。
芝居を観に来た人々がテントまで並ぶ、その横でお兄さんが口上を述べていた。
テレビのおじさんよりずっと若く、劇団の若い俳優の修行だったが、
だみ声なのはおんなじで、夜の刀が怖かった。

へび売りもいて、ぬめぬめとした長いものを腕に首に巻いて口上を述べる。
刀を当てたガマの油売りの腕よりも、
月夜の刀よりも、
夜に光る長いものが怖かった。


                            * *


今夜は薬の町のちいさな博物館のお写真を。

■道修町 地下鉄北浜駅にて
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地下鉄堺筋線北浜駅を出てきょろきょろしていたらこんな大きな看板が。
ショーウィンドウには、あるある、あやしげな薬。


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動物の剥製、キノコを乾燥させたもの、貝、長いものが入った酒。
美人になる酒、精がつく酒。ガラス越しに臭ってきそうな、あやしい数々。
怖くてカメラも向けられない。


■道修町 くすりの博物館にて
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ちいさな博物館は無料展示で観覧者はわたしひとり。
これは常設の展示、化学薬品の形状いろいろ。


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このときの特集展示は、「流行り病と錦絵」。


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十返舎一九の絵の複製。


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博物館のビルのうしろは神農神社。ビルの一階が社務所になっている。


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絵馬のひとつひとつには、病を治してほしいという願い、医学部や薬学部に合格したいという願い、
医療の研究チームが成功の結果を出したいという願い。


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これが、博物館に鎮座していた神農さん。




なつかしい百夜話 月下の一群
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by NOONE-sei | 2008-10-02 02:33 | ときおりの休息 壱(14) | Comments(7)
Commented by ひす at 2008-10-02 15:35 x
さきほどはどうも!
(*^人^*)「ご心配をおかけいたしました!」
とても嬉しかったです。
きっとどの薬よりも良く効いたので、今度はセイさんをこの博物館に展示しませう!
φ(._*)☆\(-_-)

さて、実は近所にはたく産の漢方薬やさんがあったので、
こどもの頃からこういうものを覗いては恐がって面白がっておりました。
なかには、「猿の頭蓋骨の黒焼き」や「トラのちんちん」などもあり、
特に猿のそれは、人間の者とそっくりで、「人間のこどものだ!」と大騒ぎしたものです。
ちなみに長いものは定番どころか、
私は毎月とぐろを巻いた状態の「それ」のミイラを祖父と買いに行っておりました。
!(・∀・)「砕いて飲むのですよ!」
(恐いでしょう?!)

だからいつも「それ」を売っている人が、それを腕に巻きつけているのを面白がってよく見てましたよ。

つづく
Commented by ひす at 2008-10-02 15:35 x
そういや、絵馬の中に「鎌」の絵がなかったですか?
こどもの頃どこかの神社(たぶん石切さん)でそれが大量にあり不思議だったのですが、
後に「鎌」→「草刈」→「くさかり」→「瘡を刈る」→「でんぼをなおす」
となることを知りました。
何でそんなわかりづらいことを…?
と思ったら、昔大半の人が字を書けない読めない、
そういう時代の一種の絵文字だったとの事を知り、
なんかすごく嬉しくなりました。
そういうのって、医療と同じくらい知恵に溢れていると感じてしまったのですよ。
Commented by NOONE-sei at 2008-10-02 19:36
ひすさん、
博物館の入館料は、豚まん50個ですっ。ばくばくばくっ

ネット再開に安堵しましたよ。
わたしは、つい、物事を悪いほうに悲観しがちなのでね・・・

ひすさんは町の子だから、伺うといろんなものを見て育ったのだなぁと感心します。
拒むも拒まないもなく、小さなときからそこにある、ありのままですもんね。
なんというか、そういう、経験やそれとの折り合いのつけ方が、
とてもいいなぁと思うのです。
知識以前に、経験が備わることは、とても大切なことに思えるからです。

さて、石切さんというのは、そちら方面の有名スポットですよね?
子どもの成長の関所みたいなものかな?
絵馬の絵で憶えているのは、上の写真にもある虎の絵でした。
「でんぼ」・・て方言かな。こちらでなら「くさっぽ」のことかな。
判じ絵で遊ぶのではなく、生活の知恵から生まれた伝達方法だったのですね。
昔の人はえらかったんだなぁ!
Commented by at 2008-10-03 21:08 x
そうか! 衛生博覧会ではなかったのか(笑)
Commented by yamagoya333 at 2008-10-03 22:09
「蝦蟇の油」というのは、もしかして、月にいるといわれている蝦蟇の「嫦娥・こうが」の親戚すじの蝦蟇の油を絞ったものではないでしょうかね。
筑波山かどこかにいるそうですな。
不老不死の効果はないものの、傷の一つや二つは、即座に!
以上、迷探偵さくらの推理でした。
Commented by NOONE-sei at 2008-10-06 00:20
坊さん、
こんなところでナンですが。
資格試験に合格、お目出鯛でした。いいニュースだったねー。

衛生博覧会よりいいものを夕べ観たよ。
寺山修司の展示物をね、懐中電灯で照らしながら美術館の中を歩いたの。
野外劇あり、観客参加の芝居あり、夜の美術館でみんな迷子になりました。ははは
Commented by NOONE-sei at 2008-10-06 00:27
さくらさん、
かぐや姫の中国版ですね?
しかし、月にはうさぎがいて、その頭領がかぐや姫で、
夜な夜な踊りを踊らせていると思いきや、あにはからんや、
かぐやの正体はガマガエルであったとさ。
その油は、楊貴妃が莫大なお金を使って「永遠の美」を手に入れるため
探し探して、ついに見つけられなかった秘宝中の秘宝であったとさっ!
以上、迷作セイでたらめ劇場でした。
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