77夜 ラッキースリーセブン


父がこよなく愛するパチンコ。

ずっと巧妙な手口が報道され続けている詐欺の新たな被害が、パチンコ愛好家(?)にもおよんだとか。
サクラになれば儲かるという話に騙されたのだそうだ、と父に告げると、
サクラは昔からあるのだという。

父が浜で弟子入り修行をしていた頃、男達は皆、娯楽に賭け事をした。
飲み屋の二階に賭場はあって、人寄せのサクラは大抵ヤクザだった。
素人の客がおかしな色気を出しさえしなければ、ちゃんと楽しませてもらえる。
それは不文律で誰でも知っていることだった。
 隣のヤクザに花札を仕込まれた父が、腕試しと肝試しに、賭場に連れて行かれた事は容易に察しがつく。
陸(おか)の賭場はあちこちにあった。港では船乗りが船の中で博打をし、飯場では職人が博打をした。

少年期から青年期にかけての年頃、弟子仲間の若衆の賭け事は部屋で日常茶飯だった。
札はトランプか花札を使った。
主においちょかぶなのだが、トランプのおいちょかぶは絵札が単純で易しい。
一方、花札では覚えることがたくさんある。花の名、それらを組み合わせた札にも呼び名がある。
 
父から花札を教わらなかったわたしは、花合わせもこいこいも出来ない。
サイコロの目の数え方もわからない。

今日、いいことがあった。
お年玉付き年賀はがきでふるさと小包便が当たった。王様とわたしの暮らしが始まって以来のことで、
それだけでも目出度いのに、桃の節句の今日、その小包が届いた。
 中身は肉。
選んだのは王様とわに丸だが、届いたのはお雛様の日だから、これはきっと
お雛様、つまりわたしへのご褒美にちがいない。犬もお雛様だから、ひとくち分けてやろう。

ところで今日は三月三日。花札の三月は、桜だ。
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by NOONE-sei | 2005-03-03 13:45 | 百夜話 父のお話(19)


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