映画を観る予定の人は読まないほうがいい。 「煙に巻く」という言葉はあっても、霧は、「巻く」のではなく「巻かれる」だったか。 スティーブン・キング原作の映画「ミスト」、 怖がりのわたしには十分ホラーで心臓に悪かったのだが、 本でいうなら読後感が良くない映画のひとつ。 人間関係や、クリーチャーの展示会を愉しむ映画だったのかな。 この世と地続きでありながら、この世と同じ顔のようでいつしか違う世界に持っていかれるような、 「ドリーム・キャッチャー」は三十倍、「サイレントヒル」は五倍、 「ミスト」よりも誠実な映画だったような気がする。 なんとも嫌な感じを残したあざとい最後が、どうしてもずるく感じられてしまうのだ。 生き残りたい親、生き残ってしまった親、生き残る子、生き残らない子、 勇敢かと思った女教師が涙をこぼし続け、強靭かと思った男性が諦めを悟り、 生きるための行動を起こさなかった者達が運良く生き延びる。 狙っているのだろうな、というのがわかるから、 やるせない霧に巻きたかった作り手が作った、 クリーチャーの触手に黙って巻かれてみたけれど。 ・お写真の背景音は、サミー・ディヴィスJr. の 「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」(帰ってくれたら嬉しいね)という気分
by NOONE-sei
| 2008-06-13 02:20
|
最新の記事
お気に入りブログ
文章百珍
*【百夜話】
04年11月~05年04月 *【新百夜話】 05年05月~06年02月 *【新々百夜話】 06年03月~07年02月 *【新々々百夜話】 07年03月~09年01月 *【その後(五)の百夜話】 09年02月~11年01月 *【その六の百夜話】 11年02月~15年11月 *【その七の百夜話】 15年12月~ カテゴリ
profile(1) 百夜話 本日の塾(9) 新百夜話 本日の塾(12) 新々百夜話 本日の塾(9) 新々々百夜話 本日の塾(4) その五の百夜話 本日の塾(3) その六の百夜話 本日の塾(1) 百夜話 父のお話(19) 新百夜話 父のお話(4) 新々百夜話 父のお話(8) 新々々百夜話 父のお話(12) その五の百夜話 父のお話(1) その六の百夜話 父のお話(2) 仮想紀行(4) 本日の産声(8) 本日の道草(9) 数のない夜(23) 東京散歩(5) ときおりの休息 壱(14) ときおりの休息 弐(8) ときおりの休息 参(12) ときおりの休息 杜の都(4) 秋の図鑑(6) 閑話休題(22) 絵のような 文のような(5) 書庫まつり(12) 趣味の書庫話(→タグへ) 百ケ日連打(9) さくやこのはな タグ
検索
以前の記事
2018年 12月 2017年 12月 2016年 12月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 03月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 04月 more... 画像一覧
その他のジャンル
記事ランキング
ライフログ
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||