72夜 手を合わせる


 ・メンタルな話なので引き寄せられる人は読まないほうがいい

入院中、父は幾度もわたしに手を合わせた。
母のわがままを勘弁してやれ、だったり、ありがとうだったり。
手の機能が片方になると片手を上げた。
じゃあな、だったり、承知した、だったり、ありがとうだったり。

父が亡くなって、葬儀では幾度も合掌をさせられた。
礼拝(らいはい)では目までつぶらされる。

初七日を過ぎ、七日七度(なのかななたび)の旅をして、
ゆるゆると浄土に向かう父は、どこに寄り道しているだろう。
父のことだから、道草を食いながらちょろちょろしていることだろう。

遺影の父は明るく笑っているので、
顔を見ながら祭壇に線香をあげると、明るい気持ちになる。
けれど礼拝をすると、病と闘ってもらうためについた、たくさんの嘘を思い出す。
だから、わたしの代わりに、せっせと犬や猫にちーんと鐘を鳴らさせる。
合掌と礼拝もやらせる。
鐘じゃなかった。あの梵音具はリンという名だった。

・・手を合わせる。
ほんとは合掌じゃなくて、そのままぱちぱちと拍手がしたいんだけど。


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父が若造だった頃。

若造のお話



王様の千と線は、わたしが見聞きした拙(つたな)い経験だけでは書き続けられなかった。
父のリアルがわたしの拙い文章にリアリティのようなものをくれたことが幾度もある。
感謝しているから ・・ぱちぱち。

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by NOONE-sei | 2008-02-18 00:45 | Comments(6)
Commented by ひす at 2008-02-18 13:00 x
拍手。
セイさんがそう思える旅立ちで何よりです。
今日も寒く雪がちらつきましたが、日向はもう暖かですよ。

>若造のお話
まるで映画のようですね。
白黒での映像がよぎりました。
Commented by NOONE-sei at 2008-02-19 00:33
ひすさん、
父がいなくなって十日、、、、
まだ十日なのですよねぇ、、、
今頃になってちくちくと喪失感が顔を出すので困ります。
あの時こうすれば良かったとか、言っても詮無いことが浮かんでしまう。
よわっちいなぁ、わたし。

>若造のお話
愉しんでいただけましたか?
父はわたしのウェブログの、重要な登場人物だったのですよねーーー。
Commented by at 2008-02-19 18:41 x
じいさんは、ほんとうに格好よかったぜ。
Commented by NOONE-sei at 2008-02-19 19:41
坊さん、
ありがとうね。
坊さんがメンタルな夜話にコメントするとは稀有である!
嬉しいなぁ。

今までは看護、これからしばらくは弔いをする
ということなのかもしれないね。
初七日過ぎるとさみしくなってくるものなのだそうだから。
Commented by yamagoya333 at 2008-03-05 01:25
お疲れ様でした。
やっと、コメントができます。
つらい思いが、長かったですね。
父上にも、セイさんにも、心を込めて拍手を送ります。
皇太后に優しくしてあげてください。(差し出がましくて、すみません。
Commented by NOONE-sei at 2008-03-10 17:23
さくらさん、
ずっと静かに見守っていてくだすったのですね。
ありがとうございます。さくらさんらしい心遣いだなぁと感じています。
つらくてつらくて、コメントのお返事も書けずにいました、ごめんね。
わたしまで拍手をいただけるのですか?!びっくりだ!
母への葛藤は、読むひとにはしのびないものがあるでしょうね・・・
ごめんなさい、水に流して折り合いをつけてあげたいのに、
わたしったら、人間まだまだだなぁ・・・・
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