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63夜 初雪どきの心構え


この地は東北でもまだ入り口だが、
わたしの家は山の入り口でもあるので、吾妻おろしが吹き降ろす。
東北人の気質は、本質的に明るくないように思うことがある。
いつか、なにか、辛いことがあっても耐えられるよう、
予(あらかじ)め身構えているところがある。
そういう意味で、もしかすると東北人は前向きな発言を控えがちかもしれない。

秋だと思っていたら、昨日、山から吹き込んでいた雨がみぞれになり、夜には雪になった。
山の風に乗って吹き降ろす雪はふんわりしておらず、冷たいだけで美しくない。
「ここは、急に夏になって急に冬になるからなぁ。けっこうびっくりするし、つらいものがあるなぁ。」
関東育ちの王様は、たとえばこんなときに、この地に馴染んでいない自分を改めて知る。
気持ちの準備が追いつかない。

吾妻山はとうに初冠雪は終えており、数日前の寒い朝には真っ白だった。
観光道路はすでに五月まで通行止め。
もう、里に初雪が降るのがいつであれ不思議なことではなかったのに。
けれども、気持ちの準備ができていないのはわたしも同じ。
ずっとこの地に住んでいてさえ、慣れるということがない。

予め身構えていようと思っているのに、
こんな雪が降るとなお背中がさわさわとする。
寒さのせい?家族の揃っていない日々をどう過ごせばいいのか想像もつかないから?
部屋には暖かいストーヴがついているというのに不安が白く吹き下りてくる。


                              * * *

お写真は十一月初めの裏磐梯。
山にはそれぞれの山の特徴があり、安達太良が錦なら裏磐梯は黄金(こがね)。
生えている木がちがうから。安達太良はまたあしたね。

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水にまつわるお写真。上は秋元湖、下は磐梯山。


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カラマツにまつわるお写真。上は昼、下は夕暮れ。


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山並みにまつわるお写真。上は平地から、下はゴンドラから。


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ブナにまつわるお写真。上はブナの森、下は一本の樹。



おまけ
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磐梯山を遥かに望む犬と紅葉を見下ろす犬。 ・・くすくす。
by NOONE-sei | 2007-11-20 01:13


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