53夜 年の功 積の候


・・ほんとうは積(せき)の候などという語句はない。
誕生日に山ほど漫画を買ったと言ったら、その積んだ高さが歳の嵩(かさ)だそうなので、
それならばと漫画のお話。

紙類には微小な虫が付く。本の類は重くて地震が起きたら怪我をする。
本類を家の外にと西太后に命じられ、泣く泣く物置に入れた。
書庫と呼びはするが、木造の物置は砂埃(すなぼこり)が入りいちいちハタキをかけないといけない。
いつか少しずつ部屋に運び込もうと思っていたら、物置の辺りで尻尾を見た。
・・とかげ?
父に言うと、笑って、外だからとかげもいるだろうと言う。
物置の床下に潜り込んだと言うと、涼しいから隠れるのにちょうどだ、あいつらは歯がないから
ちっとも恐いことはない、と笑う。
去年の盆に逝った猫は蛇もとかげも獲ったから、とかげを住まわせるようなことはなかった。
歯がなくとも、床板一枚の差でとかげの上にある本って、恐くないか?

とりあえず、漫画を救出しよう。
寝る前にちびちび読む楽しみをこのごろ覚えたものだから、いちいち物置に置くよりも
寝る部屋のそばに置きたい。
寝る前に諸星大二郎は目が疲れそうな絵だ。
ゆうきまさみの「パトレイバー」は、熟読してやめられなくなりそうだ。
皆川亮二の「スプリガン」も、終わりまで読んでしまうかもしれない。
浦沢直樹の「パイナップルアーミー」がちょうどいいかな。
壮大な宇宙物のころは楽しかったけれど、星野之宣は女性を画一的に描くからもう結構だ。

そういえば、いつか観たテレビで、サディスティック・ミカエラ・バンドのボーカルが
課長島なんとかという漫画が楽しいと言っていた。
ありえない女の人ばかりが登場するから、男の人の思い描く女性像の妄想を見ているようで面白いと。
作者は柴門ふみの夫だったか。わたしは柴門ふみもかなり苦手だ。

女性作家の描く、ここではないどこかが舞台の漫画はおもしろい。
24年組・ポスト24年組という名で括(くく)られる作家たちがいることをつい最近知った。
その中の幾人かの、ごくいくつかの作品は、思い出したように読むことがある。
団塊世代頃の女性たちなのだとか。団塊世代の男性たちは、癖が強くて苦手だけれども。

聡明な女性たちが生んだ物語に登場する者の、とりわけ女の子も女の人も、
ちゃんと自分の肺で物語を呼吸しているような気がする。
幼い頃、物語を読んで育ったわたしは、大きくなった今ほとんど本を読まなくなったが、
今でも漫画の中に物語を探している。



24年組
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歳の嵩で崩れそうだなどと言ってはいけない。くすくす

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最近復刊した漫画を取り寄せたら、サイン本だった。ちょと嬉しい。

                        *

おまけ 秋の味覚。
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十月は里芋・あけび・鮭の腹子飯。小芋もよいけれど、お写真の里芋の親芋もいい。
あけびには肉味噌を詰めて揚げ、腹子は湯をかけほぐして酒・醤油に漬ける。
焼いた鮭と昆布で飯を炊き、食べるときにざっくり混ぜ、茶碗に盛ったらたっぷり腹子をかける。
白子は天ぷらか、アンチョビとニンニクでバターソテー。

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先日のムーミンの料理本を参考に煮た洋梨の名を知った。
マルグリット・マリーヤー、なんだか気高そうな名だと思わないか?
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by NOONE-sei | 2007-10-11 01:08 | 趣味の書庫話(→タグへ) | Comments(10)
Commented by at 2007-10-11 06:13 x
セイさん、
それは「マリゲット・マリーラ」だぁよ。
なんとなくはすっぱな下町女のような名前・・・
Commented by yamagoya333 at 2007-10-11 10:11
坊さん、
まぁまぁ、堅いこと言わずに、セイさんの作品をいただきましょうよ。
うぅーーn、そこはかとなく上品な味がかもしだされておりますね

マーガレット(英語名)、マルグリット(フランス語名)、マルフリート(オランダ語名)、マルグレーテ、マルゲリータ(イタリア語名)、マルギト(ハンガリー語名)。

マーガレットは「女王」、マルゲリータは「王妃」の名前にもございます。
いかほど、さように気高い感じもいたしまする。

Commented by ひす at 2007-10-11 10:54 x
わぁお~!
本当に積んじゃってる~!♪

こんにちはセイさん。
あなたのそういうところが大好きです。ヽ(^∀^)ノ

さて、漫画本はおき場所に困りますよね。
手元には置いときたいが、かさばるし家人からの苦情も気になるし・・
私は屋根裏にダンボールにつめておりますが、
そうなると、一旦しまうとなかなか読み返さない。
う~ん。
でも、ごくたまに発掘し読み返すと、すごく新鮮なので、それもまあありかな・・と。

アケビは皮がメインなんですね?
私は知らないものだから、中身の粉っぽい甘い部分だけを食べていました。
子供のころは、山でたまに見かけると、
「ナゼあんなところにサツマイモがあるのだろう?」と思っておりましたよ。

>課長島耕作
友人たちは大好きなようですが、私は何かが鼻について読めません。
う~ん、セイさんお話を読んでなんとなくそういうことかもな、とも思いました。
Commented by NOONE-sei at 2007-10-11 12:57
坊さん、
ほぇ?「マリゲット・マリーラ」がほんとなの?
調べたら「マルグリット・マリーヤー」って品種、どこにも載ってない・・・
露天で売ってたおじさんが紙にそう書いていたし、
果樹農家敷地の無人販売の立て看板にもそう書いてあったし、、、、
ほぇ~~~?
わかった!東北弁の訛りが、高貴な名称を生んだのだーー!

ムーミンのお料理本、坊さんはまだ使ってないって言ってたよね。
いいかもです。写真がないと自由にやれます、てきとーてきとー。
さくらさんがかばってくだすったとおり、とても美味しい外国のお菓子のお味でしたよん♪
Commented by NOONE-sei at 2007-10-11 13:07
さくらさん、
坊さんからかばってくだすってありがとうです!わぁい。
オランダ語名、ハンガリー語名まであるんですね。
英語一辺倒でなく、西洋の言語圏は広いなぁ。
ところでイタリア語名のマルゲリータなのですけどね、
これだけは高貴な印象よりも身近な印象です。
大好きなカクテルなんです、実は。
洋酒がほとんど苦手ななか、ウォッカとテキーラがベースのカクテルだけは
飲めるのでありました。
ありゃ、品のいいお菓子の話から酒飲みの話に脱線してしまった!!
Commented by NOONE-sei at 2007-10-11 13:33
ひすさん、
ほんとに積んぢゃったよん~。
「嵩(かさ)」って、曖昧でいい言葉ですよね。
こちらこそ、お話のインスピレーションを授けてくれたことに感謝♪

わたしは廊下に小さいサイズのブロックを置いて板を渡し、奥行きのない
狭い棚を作りました。
そこにずらら~っと並べたらあんまり場所をとらないみたいです。
それから、Final Answer Final(決定的)と自分に問うて、
未練を持たずに処分することも戒めとして。
ひすさんもいかが?でないと、ほんとに天井が抜けるよーー。

あけびの中身はでんぷんの薄甘い味が郷愁ですよね。
なんだかわけもなくもの悲しい気持ちになるので、シワ コ にやります。
種があるからちょっとだけ、ね。

課長島なんとか、って、おじさんの愛読書なんでせうか。
あまり好まないというひすさんのほうがずっといい感じがするけどな。
うまく言えない、なんか、パターンを感じるんですよね、「読む人や好む人」に。
よく知らないのですけれど。
Commented by くるり at 2007-10-12 08:22 x
サディスティック・ミカ・バンドだと思ってたら
木村カエラが入るから
ミカエラなんですね。

ブリーチは最近の何冊かは買って読んでますが
すぐ読み終わるので
気分的に買うのが勿体なく思えてきましたよ(T^T)


前記事ですが
紅い花は確か読んだ記憶があるんですよね。
でも何で読んだのかも、内容も
ちゃんと覚えてなくて
(女の子が女性になる話でしたっけ?)
コメント出来なかったのでした。


しちゃったケド(#^-^#)
Commented by NOONE-sei at 2007-10-12 15:32
くるりちゃん、
木村カエラって、面白い子ね。
ありえない女の人の妄想って言ったときの、こんなやあんな、と説明する
具体的な女性像がとってもわかりやすかったの。
読んでいる男性をばかにするつもりはないんだけど、ちょと笑えました。

ブリーチはねぇ、まとめて古本屋で買って一気読みしてまた古本屋、
というものじゃないかと思うです。
ちなみにこれ↑は、鰐号のだよん♪
こちらにも貸本屋さんというのがあればいいのになぁ。
そういうお店って、ないのです、しくしく

くるりちゃんも意外なものを読んでいたりするよね?
紅い花とくるりちゃん?
うーーーーむ、つながらない!

>しちゃったケド(#^-^#)
かわいぃ~~~~
Commented by 連れ合い at 2007-10-26 14:02 x
セイさん、こんにちは。
お持ちのマンガがウチとかなりダブっていて嬉しいです。
モロさん寝る前に読むのは止めたほうがいいでしょう。
ワタシはここ数日、ベルセルクを1から読み返しております。

船を立てる。
復刊したんですよね。こないだ売ってました。
欲しいなぁ。。ちょっと高いんですよね?

セイさんの文章は静かで好きです。
自分の伝えたいことをセイさんのように、ステキに伝えることが出来るのはうらやましい限りです。
(やっぱり言葉は足りなくて申し訳ない)




Commented by NOONE-sei at 2007-10-27 01:51
連れ合いさん、こんな森の奥までいらしてくれて、ありがとうです♪
ほほー、ダブってますか、それはわたしも嬉しい。
ベルセルク、未読なので古本屋で一冊100円になるのを待っています。
わたしのラインナップは、雑多で深くなくてお恥ずかしい。
コレクションという趣味があんまりないので三分の一は読んだら古本屋行きかなー。
普遍的な、古くならない漫画に出会いたいといつも願っています。

「船を建てる」は、ぶ~けだったんですね。
わたしは一年位前に知ったのですが、連載中を知っているひとには、懐かしかろうなぁ。
秋田書店上下巻、各1155円なり。↓ここから買いました。
http://blog.book-ing.co.jp/message/2007/01/post_abf8.html
いつもは古本屋がひいきですので、高い買い物でしたよー。

わたしは伝えたいことが伝えられずに「耳が痛いです切ないです」になるので、
ここで「記事」ではなく「お話」を書くことで、トレーニングをしています。
けれど、千の森は深くて暗くて、やっと手探りで歩いている、そんな拙いものです。
率直に書いていただけたことがとても沁みています、ありがたう。
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