18夜 月下の一群


堀口大学の訳詩集もよいけれど、おなじ名で、もう古書店でしか手に入らない雑誌。
舞台写真がたくさん載っている。編集人は、唐十郎。

通学路に寺山修司の青テント、天井桟敷があった。
その前を通るときは、まっすぐ歩かずにそこだけちょっと道をふくらませた。
こわいのに、どうして道を変えないのかな。

リンゼイ・ケンプの舞台を観たときも、青い舞台でやっぱりこわいのに、
なんだか胸が高鳴った。

アルベールビル、冬のオリンピックもそうだった。
ほかのどの国のオリンピックも、豪奢なこの世のものでないようなフィナーレなのに、
村のちいさな女の子が、たった一羽の白い鳩を捧げ持って夜空に飛ばした。
どきどきした。

王様が、江ノ電でサーカスに連れて行ってくれた。綱渡りをする子を知っているからと。
海のそばにテントがあった。

唐十郎の紅テントに連れて行かれたときはこわかった。
テントにたどり着くまでに、ガマの油もバナナのたたき売りもあったけれど、
へび売りが一等こわかった。

どうしてこんな気持ちになるのかな。
王様に聞いてみた。
「それはロマンチックだからにきまってるじゃないか。」

ほんとかな。
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by NOONE-sei | 2004-12-10 00:51 | 趣味の書庫話(→タグへ)


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