財布の中になにか御利益(ごりやく)のあるものを入れることってある。 蛇の皮をそのまま入れるだなんて、知らなかった。 もう、とうに蛇の季節は到来していて、あっちで見ただのこっちで見ただの、 おばあちゃん達の立ち話には耳をそばだててしまう。 ・・実はもう見た、、、。 ほんとうは昼と夜の間の境が曖昧になる黄昏、それが逢魔が刻なのだけれど、 わたしの逢魔が刻は蛇に遭う頃合い。 少し湿り気がある暑い昼間、そんなときが逢魔が刻だ。 湿った草むらから出てきて昼寝をするのだ、長々となって。 蛇は乾いて温まった石が好きだから、アスファルトの上に寝転ぶ。 足も無いのにころりと寝転ぶのだ。 蛇が気持ちいいだなんて、想像もできないが。 昨年のいまごろ、近くの友人が長い長いぬけがらを拾ったときには困った。 珍しくて嬉しくて、彼女は近所の子供達を呼んで、ちぎって少しずつ分け与えた。 お財布に入れなさい、おこづかいが増えるから、と。 ・・ひっくりかえりそうなお話。 こわくてこわくて、彼女の家の前を通る時には足早に、今でも息を止めて歩く。 ・・これは内緒のお話。
by NOONE-sei
| 2006-06-15 01:13
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