10夜 ずっとともだち


ふたり。
ふたりはいつも見つめ合ってはくすくすと笑う。
大親友、それは不思議なことじゃない。
不思議なのは、ふたりでなにかを決めるのを徹底して避けること。

最初は互いにどうぞどうぞと譲り合い。
次に自分の考えを伏せて相手の意見を引き出す。
その次に、提案したのはそっちだからね、という念押し。
そのまた次は、そうはさせじと押し問答。
いよいよ不仲になっては困るので、そもそも何故これを決めねばならないか、とふりだしに戻る。
それでも決めねばならないと観念して、最後は選択肢を紙に書いてくじびき。
これで責任はおあいこだ。

そばで見ていると、丁丁発止、駆け引きは張り詰めている。
いつ足元をすくわれるかと、気が抜けない。
それでも引き合うように一緒にいないではいられない、共棲し合うふたり。
だから、ふたりの間は閉じていて、おそらくは、目も閉じていて、互いしか見えない。

この不思議なふたりの十歳の話を王様にしたら、
「生まれた時から女だからね。おんなおんなしいもんだよ。」
意味がわからない。めめしい?それともおんならしい?
・・『ともだち』という玉手箱、何が出るのか薄寒くて聞けない。
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by NOONE-sei | 2006-03-24 18:52 | 新々百夜話 本日の塾(9)


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