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6夜 たまらんのでちぅ


たまらなく好きな子どものお顔、それは歯抜け。
前歯のないお顔で笑う子どもは可愛い。
泣きべそのお顔も可愛い。それが歯抜けの泣き顔なら、なお可愛い。
泣き始める我慢の顔が見たくて、子どもをわざと泣かせたことがある。
きっと今ごろは、その子も立派な大人になっただろうから、許して頂戴。

たまらなく好きな動物の顔、それはへちゃむくれ。
緩んでたるんで、つぶれてしかめて、おかしな顔であればあるほどたまらない。
眼など、ヤギかヒツジのように横についていてほしい。
そして、あさっての方を見ていたり、つむっていたり、視線をゆがめていてほしい。
鼻から下、縦に刻んだ線のある上唇を引っ張ったり、ちぅ(chu)したりしてみたい。

王様には、趣味の世界だと呆れられるのだが、仕方がない。
無意識に近いのだ。気がつくと吸い寄せられている。
パソコンを見ていると、液晶画面に、、、指が。  
ぴと、と触ると、画面が揺らいで鼻の下が動く。
くしゃみでもしてくれないかな、画面の中の動物。

初めは全く気づかなかった。
ごく当たり前に可愛らしく撮れている子どもや動物の写真に、さほど食指が動かないことに。
初めから自分の趣味嗜好を把握できている人は冷静だ。
人の趣味とは、指摘されて気づくところから始まったりしないか?

新百夜話 64夜 ハニー・ヘイス
by NOONE-sei | 2006-03-15 00:34


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