1夜 母性は循環する


赤ん坊を産んだ直後の母親には、野生が宿る。

獣の赤ん坊がすぐに立ち上がったり、乳を飲もうとするのが野生なら、
獣の母が乳をくれようとするのもまた野生。
人間の出産は、現代は医療によって手をかけられているけれど、
本当は人間も同じだ。

母乳で育てて欲しい、と提唱しているお医者が、
産んだ直後に母親を休ませたいのはやまやまだが、
赤ん坊を母親に抱かせ、授乳をさせると言っていたことがある。
母親の肉体は、出産で疲労困憊しているけれど、赤ん坊をそばに置くと、
まるで血の気が頭に上ったように、乳を飲ませて赤ん坊を生かそうとするという。

母親のホルモンは授乳で刺激され、赤ん坊もまた授乳で機能が目覚めてゆく。
出産で使い果たしたかに見えた母体のエネルギーは、
乳を出すと、スイッチが切り替わったように、新しいエネルギーが母性に流れ込む。

驚くのはこの母性だ。
乳は母性を刺激し、母性は父性の引き金になるんだという。
女性は母性、男性は父性という、単純な括(くく)りではない。
「母」、、、という一個の人間の中でのこと。
発生した母性は、父性を呼び覚まし、父性は母性を維持させる働きを持ち、
父性が母性の源となって、つまり生の循環が起こるのだという。
次にはそれが、個から子に父親に、次々と連鎖してゆく不思議。

くるりんさんに子供が生まれた。
これからこの子には絶え間なく無償の愛が降り注ぐ。
そしてこの子は、くるりんさんに幸せをくれる。

今病院にいる、くるりんさんおめでとう、そしてがんばれ。

c0002408_1515293.jpg

[PR]
by NOONE-sei | 2006-03-01 01:33


<< 2夜 「ロバと王女」のおはなし 仮想紀行 四 >>