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仮想紀行 弐


きのうの旅は、会津若松。
町並みは、てくてくと自分の足で歩くのがいい。
そして、名も無いような裏路地であればあるほどいい。
あやしげな店を見つけたら、小躍りしたくなる。
迷い込むほどの勇気は持ちあわせないのだけれども。

さて仮想紀行 弐。
風呂三昧ならぬ、風呂三枚。
風呂敷を三枚も広げたら叱られるけれど、こちらの三枚はとっておきの露天風呂。
いつも、「これはおまけ」と但し書きで載せる風呂のお写真を 今日は主役にしてやろう。

湯めぐりはいかが?
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安達太良、大玉温泉 
脱衣所は別々、中は混浴でびっくり。客同士で紳士的に譲り合い男女別風呂となるのが微笑ましい。
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裏磐梯、猫魔温泉 
リゾートホテルの風呂とは思えない風情。林の向こうには大きな湖が見える。雨の露天風呂がいい。
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岳、塩沢温泉 
雪の露天風呂なら野趣そのもの。すこし大きなお写真はこちら。

                    *  *  *

現実世界のわたしは、数日熱で臥せていた。
奇妙な夢を見た。
 いつも窓から見える吾妻山には、
浄土平(じょうどだいら)とか一切経(いっさいきょう)という場所がある。
高濃度の火山性ガスに覆われた山だからこんな名がつくのだろう。
わたしは幼い頃に住んでいた山あいのちいさな家で客達を迎えていた。
年端もゆかない者から少し大きな者まで数人の。不思議なことに、彼らは皆同じ顔をしていた。
そのうちのひとりの頬をわたしは両の手で撫でて、「連れて行ってあげるよ」と言った。
夢の中のわたしは観光に来た客人をどこかに案内するつもりらしかった。
ところが、言い終わったら両の手が薄くなっていった。
連れて行ってやりたいのに体が薄くなって、そして消えてしまった。
わたしの体はどこに行ったのだろう。ほんの少し哀しくて目が覚めた。ちっとも怖くはなかった。

背中が痛くて眠りが浅く、腹が痛くて食事を摂れず、
常世(とこよ)から戻って来れたのは、天井を二時間見つめて点滴を終えてから。
いつも点滴など何ともないのに、この時はずうっと、刺した針の周囲がひんやりと、鈍く痛んだ。
by NOONE-sei | 2006-02-20 00:07 | 仮想紀行(4)


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