84夜 めでたさの名残り


松の内もおしまい。
でもなんとなくまだふわふわした気分はすこし残っていて、
このあと、鏡開きと小正月があり、小正月は神棚にだんごさしを飾るからまた神社にゆく。
正月初詣の神社はにぎやかでいいが、小正月の神社はもっといい。
すこしずつ昼が長くなって、真冬の厳しさにも体が馴染み、
粒の大きな雪が降るような鋭くない寒さの神社で小正月の飾り物を売る露天が並ぶと、
それからが本当の寒さや雪がやってくるというのに気持ちのほうは春を目指し始める。
いちばん花のない時季だから、ミズキに挿したとりどりの色鮮やかだんごさしの飾り物はとても華やか。

小正月は薮入りで、嫁も奉公人も、休みをもらって実家に帰してもらえる。
だから女正月とも言い、家長がどんと構えた正月よりも小正月のほうが華やぐ。
ところでこの正月、年末年始と家の中は忙しかった。
食わせてさえおけばいいとも言えるんだが、家族への目配りはいつも以上に必要。
働き者でないわたしには荷が重いので、手を抜いて簡便にできることはできるだけそうした。

母を連れて時々昼ごはんを食べる、飯舘村にゆかりの店は、化学調味料や冷凍食品を使わない。
昔の味を好ましがる母はその店が供する食事の食いがいい。
おかずのことを『お菜(おさい)』と言うんだとか、思い出しておしゃべりし、
いつもは噛み合わない会話がすっきりと通ったりする。

今年のおせちは、思い切ってその店に頼んでみた。
わたしが用意するのはかまぼことか伊達巻とかおおざっぱなもので、
あとは歳夜(としや)の晩に供する煮魚や刺身など、さらに翌朝元旦の雑煮の仕込みまでやってしまえる。
おせちができましたと連絡をもらい、受け取って重箱の蓋を開けてみたらほんとうに手のかかったものだった。
元旦は年賀状を見ながらそのおせちでぜったいに飲む、体調をそのために維持しようと決めた。

わたしは年末年始とほとんど家にいたけれども、王様も鰐号もそれぞれ思い思いに過ごす時間があったから、
三日は半日、温泉の風呂に行かせてもらった。
家族が揃うと誰かしら留守番をして交代で休みが取れる。
四日の午後には女ともだちの家でまるで実家に帰ったみたいにごろごろして本を読み、
あまつさえ昼寝までさせてもらった。
寝ている間にともだちは実家に料理を届けに行ったから、わたしは自分の家は鰐号に留守番させ、
自分はともだちの留守番をしたというわけ。
十日も早いけれど、これって女正月だったのかな。



今夜のお写真は、おせち
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この地の郷土料理、いかにんじんも入っている。

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飲んだ酒いろいろ。
鰐号が酒の用意だけはせっせとし、せっせと注いでくれるのが可笑しい。






犬や猫には歳時の感覚はないのだから
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朝はこんなふうで


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夜はこんなふう
今年もこんなふうをつづけていきたい。




     
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by noone-sei | 2014-01-08 01:20


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