72夜 春の足跡  参


71夜は、五月だったんだなぁ。
五月に追っかけ追っかけひと月遅れで四月の花見の宴を載せたものだから、
わたしの頭の中は四月で止まってしまっていた。
とうに桜は過ぎ、藤が過ぎ、花菖蒲も薔薇も過ぎ、今は紫陽花とアヤメのすっかり梅雨だ。
暑かったひところが嘘のように肌寒い。

父が亡くなって丸五年が過ぎ、母がいよいよ庭も畑も手入れできなくなって、
王様が畑を わたしが庭の手入れを始めた。
近くに住む友人に、お父さんの畑を受け継いだんだねぇ、と言われて初めて、
それがどういうことなのかを深く知った。

とはいえ、王様は昨年の暮れに出来の良かった初めての白菜に気をよくしているから、
じゃがいも、ねぎ、たまねぎ、にんにくに力こぶを入れているんだが、
近所のおじさんたちが首をかしげるような植え方をしていたりよその畑と違うことに気づいて
王様自身も首をひねったり、ずいぶんと笑わせてくれて面白い。
わたしはと言えば、何年も前に直播(じかまき)したコリアンダーとルッコラが自生して
背の高い真っ白な花々が畑の三分の一を占めると、花畑のような不思議な野菜畑に
やっぱり気をよくして、せっせと葉や種を王様と一緒に人に分けて歩く。
セイさんは西の魔女だね、と友人に言われるその元の本は、『西の魔女が死んだ』(梨木 香歩)
なのだが、わたしはどちらかというと東または北に住んでいるのだけれど。

庭はイングリッシュガーデンではなくて、松が三本もある小さいが池もある日本庭園なので、
樹木の剪定や下草の手入れをしないとあっという間にただのガサ藪になってしまう。
三本も、と敢えて書いたのは、父はこよなく松を愛で、わたしは松の雪落としに辟易したものだったからだ。
毎年、庭師を入れて松をはじめ庭木の手入れをして貰っていたけれども、
松はおそろしく金食い虫で困る。今年は試しに自分でやってみることにした。
だって、松の剪定って、なんだか庭師の王道って気がしないか?
実は移転前の塾の庭には大家さんが植えた松があって、時々いじらせて貰って大変面白かった。
大家さんには悪いが松の手入れの決まりごとなど何も知らないから、
ずいぶんと斬新な松にしてしまったと今になると思う。

追っかけ追っかけのお写真とおはなしのウェブログなので、
松の剪定のおはなしはだいぶ後になるかもしれないが、ちょとお写真を楽しみにしていてくれ。




今夜のお写真は、四月からの時間を動かすために、
そしてわたしの停滞していたひとりの時間も動かすために、桜。



四月から母は認知の力がぐっと下がってしまい、急な下降にわたしがついてゆけず、無我夢中で過ごしていました。
五月の末にはストレスでぎっくり腰になり、週に一度の休みを貰わなければもうわたしが保たないかもしれないということで、いろいろ現実的な調整をしました。
六月はその調整に、母もわたしも慣れる期間であり、やっとこうして今夜はおはなしを書くまとまった時間を作れました。



□あっちの桜、こっちの桜と、母と桜を追っかけ追っかけ

・四月十五日の桜
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しだれ桜


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城の桜


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合戦場跡のしだれ桜



・四月二十日の桜
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寺のしだれ桜


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ソメイヨシノ


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花びら


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山の斜面の花々


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山の斜面から市内を望む



・五月四日の桜
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八重桜 前から見た顔


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八重桜 後ろから見た顔


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濃い桜色の八重桜


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薄い桜色の八重桜

こうして並べて見ると、ソメイヨシノは中庸、しだれ桜はわかりにくく、八重桜はわかりやすいと思わないか?





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天気のいい日にペロテンの洗濯と陰干しをしました。
毛が短いのでお日様にあたるとすぐに乾きます。
柔軟剤を使わなくてもふわふわ。




     
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by noone-sei | 2013-06-30 11:59


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