47夜 春よ恋


一年のうちで、日本は本当に南北に胴が長い島なのだとしみじみ再認識するのがこの時季。
桜前線がやっとこの地にも北上して、街なかの桜が満開になった。
でも我が家の周囲は五分咲きくらい。山あいの温泉町は家から二十分ほど、
こちらはまだ全然咲いていない。もう少し山を行くと雪まで残っている。
いつもよりも、十日くらいは全体に花が遅い。
昨年の春の、気が昂(たか)ぶったような、気がふれたような開花にもぎょっとするが、
寒さが長引くこの花々の気の持たせようにも、なかなかやきもきさせられる。

つい先日は本家の叔父の命日だったので山の日当たりのよい斜面にある墓に参った。
フキノトウが開きかけてそれはそれで可憐な花のようで、
うつむいたようなカタクリは周囲の空気まで薄紫に染めて、
しゅっと立った細長い葉の間に硬いつぼみやほころんだつぼみや黄色に咲いた花の水仙、
それらが一面の、春の始まりの美しい墓地だった。

我が家の庭は既に春は目覚めて、福寿草もカタクリも花を終え、
一輪草や二輪草が咲き始めている。
散歩に行くと、連翹の黄色と水仙の黄色、椿だか山茶花だかが桃色や赤。
道端のその花を犬はぱっくりと食いながら歩く。




今夜のお写真は山の晩冬と庭の春を。


□山
c0002408_3204378.jpg
この日、町では桜が満開って信じられない。


c0002408_3205279.jpg
でもよく見ると山肌が見えるくらい、雪はもう融けているんだ。


c0002408_32126.jpg
ちいさなフキノトウ。


c0002408_3211282.jpg
寒いお写真ばかりじゃつまらないので、白い湯の風呂をどうぞ。




□庭
c0002408_3251948.jpg
庭のカタクリ、ちょうど咲いていた頃のお写真。


c0002408_3261072.jpg
タネツケバナ。


c0002408_3263532.jpg
ホトケノザ。


c0002408_3265922.jpg
福寿草、終いの頃。


c0002408_3274046.jpg
ユキノシタ。この山菜の天ぷらは旨いのだけれど、この地では今年も山菜はあまり口にできない。


c0002408_3291282.jpg
二輪草がもうじき。


c0002408_329416.jpg
ペロ コ の好物、これは山茶花?




■おまけ
c0002408_3341189.jpg
この春いちばんのお薦めしたい漫画。
・「路地恋花」ろおじコイバナ(麻生みこと)
どうせ少女たちが好きなコイバナでしょう、などと侮ってはいけない。
京都の町屋に敢えて住む、若い絵描きや細工職人や工人の手仕事をたっぷり資料検証して
麗しい物語と京都弁で味付けしたオムニバス。

c0002408_3342064.jpg
これは本の手仕事の一場面。






おくればせながら、シワ コ が目出度く十四歳になりました。拍手拍手。
その日はちょうど、タンポポの開花宣言がありました。

c0002408_3505274.jpg
綺麗な花を玄関に飾ったので、匂いをかがせてみました。


c0002408_3525934.jpg
この立ち姿を維持してやりたいと願っています。


c0002408_3535983.jpg
時々、眠りながら走ったり食ったり歌ったりする十四歳。
[PR]
by NOONE-sei | 2012-04-25 01:11 | 趣味の書庫話(→タグへ)


<< 48夜 駆け足の春 46夜 誕生日、天の寿ふたたび >>