30夜 夏雨前線


秋雨前線(あきさめぜんせん)には注意するように、と、獣医に言われている。
シワ コ は脳梗塞の病歴があるので、気圧の変動が頭に影響を与えるんだという。
秋雨前線は九月から十月の頃。
シワ コ は普段から、秋に限らず雨の前にはそわそわして外に出たがらなくなる。

この夏の雨は人にも厳しかった。
暑さも厳しかった。過酷な自然界は、ずいぶんと試練を与えて、
生きるもの達すべてが文字通り試され続けていたように思う。

311のもたらし続ける数々の容赦のなさや、雨のもたらした追い討ちや、
忘れるな、と、津波警報さえ伴った大きな余震や、耐え難い気候に、
この地の者たちは皆で長期にわたり鬱(うつ)になっていると聞いた。
先日の二時半の余震では久々にラジオで定型句の津波警報を聞いて、
電気も電話も繋がらない311のあの時に「三時三十分に津波が到達する予定です。」と
繰り返し伝えるアナウンサーが、定型以外の台詞「もう来ているかもしれません!」
そう言った時の、奇妙な感覚を思い出した。

試練に振り落とされた者には容赦ない仕打ちがあって、
母の認知力に明らかな問題が急速に表われてきた。
その急激な変化に強く傷つけられ、そのときはまだ認知の問題とは知らずに
わたしは発狂しそうになりながら盆の迎え火を焚いた。
口から言葉という形を持つものが出なくなって、音という声しかなくなったら、
シワ コ が餌を食わなくなった。

そうだった、シワ コ はわたしの体と連動する犬だった。
ちっとも傍に寄って来ず、触ればあさってのほうを見る犬なのに、
体でわたしに反応する犬だったことを、ちかごろすっかり忘れて油断した。
シワ コ に気づかされて、母の変化への手当てをどうするか、
気を取り直したら今はいつものシワ コ に戻った。

母の娘であったことを紐解(ひもと)いて、母がわたしの子どもになることを
よくよく考えてゆこうと思ったら、ふとひらめいて、くすりと笑った。
シワ コ はわたしの犬、ペロ コ は王様の犬、そしてテン コ は、、
テン コ は ・・ペロ コ の犬。
今こうして書いている横で、夜にぴかぴかになった猫が箱に頭を突っ込んで、
出られなくなってぎゃおぎゃお泣いている。




お写真は夏の、あり合わせの昼ごはん。
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野菜たっぷりのポテトサラダ、ミネストローネ。


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とうもろこしと紫蘇のチャーハン、たけのこと人参と新タマネギのピクルス、ナス煮、鶏から揚げ甘酢あん、
揚げ小芋に甘味噌をからめて。もずくとトマトのスープ。








横柄な態度のぎゃおぎゃおと、サマーカットしたシワ コ 。
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ぎゃおぎゃおのくせに、テン コ はゆうべ、犬歯が乳歯から永久歯に生え変わりました。
猫の歯も、牙は犬歯って言うのかなぁ。猫歯じゃないのか・・?
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by noone-sei | 2011-08-27 00:10


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