23夜 おいしい音楽


◆本日の百ケ日連打
「夢だからだったんだ」
今になってやっと気づいたよ。



友人から電話、急に行けなくなった演奏会に代わりに行ってくれないか、
出演者がチャリティで開いてくれる会だから無駄にしちゃわるいんだ、と。

人の体から生まれる音声は生々しくて、毛穴から聴く者の体に入る。
それが快だったり不快だったり、抗(あらが)えなくておたおたしたりする。
311以来、努めて平静を保とうとしてはいるが、
平静を装っているだけのまともでない神経だと自分で自覚があるので、
歌を体に入れるのはどうかなぁと迷った。
でも、三ヵ月が経ち百ケ日を過ぎて、
あさってのことはわからなくとも、今日と明日を楽しんで暮らそうと決めたんだから、
とにかくお誘いを受けたら断らないの精神で行ってみた。

歌の上手いミュージカル女優でよく知られる歌い手がピアノ一台で歌を聴かせてくれて、
わたしの好きな「Your Song - 僕の歌は君の歌」(エルトン・ジョン)も聴けて嬉しかった。
井上ひさしと仕事をしたのがきっかけで日本の民謡をピアノで歌うようになったのだとか、
初めて披露するという民謡「新相馬節」、その歌詞に泣けてきた。やっぱりまともじゃない。
この唄は離れた故郷を思慕する詞で、もともと即興で詞をつけたりするものらしく、
彼女はどこにもない歌詞で歌った。牛はどうしているか、と。

311の直後、物資も流通も交通も滞ったとき、わたしは日用品より洋菓子が欲しかった。
あとで聞いたら、あのときパンがどうしても食べたかったとか、ケーキに飢えていたとか、
みんなが言った。わたしだけじゃなかったんだ。
農業県だから、米は結構備蓄がある。それでもパンってなに?
パンも甘い菓子も音楽も本も、夢のあるもの。
皆、そういうものが欲しかったんだなぁ。


c0002408_3283851.jpg
五月のケーク・サレ かぼちゃ入り


c0002408_32998.jpg
六月のケーキ 干し柿とマーマレード入り
どちらもレシピがない、テキトーケーキ。四月は材料が手に入らなくて作れなかった。




Your Song  日本語訳

新相馬節
[PR]
by noone-sei | 2011-07-03 00:10 | 百ケ日連打(9)


<< 24夜 わからないことばかり 22夜 六月の森 >>