73夜 ときおりの休息 参  格子の眼


たとえば神社仏閣の全体像にはさほど興味がない。
庭のつくりに詳しければ、もっと愉しみ方があるようには思う。
日本庭園には宇宙観があるらしいのだけれども、
まだそれを理解するほど庭を知らない。

近代建築も日本家屋も神社仏閣も、全体像の美しさもさることながら、
各部にほどこされた意匠に惹かれる。
近代建築ならば
漆喰(しっくい)の天井だったり真鍮(しんちゅう)のドアノブだったり
エンタシスの柱だったり円形の窓枠だったり。
日本家屋ならば
木の軒や廂(ひさし)だったり木組みの建具だったり襖(ふすま)の金具だったり。
神社仏閣ならば
賽銭箱の上の柱や梁(はり)に掘り込んである得体の知れない幻獣たち。
それは麒麟のような、龍のような、獏のような、象のような。
雲や蓮の花に乗って現われるようなおかしなものたち。

狭いところから、より狭いところに入ってゆくようなものの見方をするとき、
建物を視るわたしの眼には、格子状の定規がある。
それは写真を撮るときにも現われて、画面の中に切り取って入れるような気分で眼を使っている。
ただ、水平や垂直が写真にきちんと収まらないのは眼のせいじゃない。
それは、写真機の重さを左右の手が配分できていないから。
あ、写真のまずさの言い訳じゃないから。




今夜のお写真は京都で見た建物、いろいろ。





□洋風建築
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地下鉄東西線、京都市役所前駅。
駅を降りて、最初に見た近代建築が京都市役所だった。・・・1




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烏丸御池駅。
この近辺には和洋とりまぜ美しい建物が並んでいる。ここは新風館。・・・2


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新風館の入り口。


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新風館の壁のタイル、お写真を連結して見ると千鳥格子と矢羽模様。
って、こういう洋風建築の壁のタイルの張り方にそういう名前で意匠を言っていいのかな。




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名前がわからなくなっちゃったのだけれど、可愛い洋館。
小さな出版社だったかな。・・・3




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商売をしているようなのだけれど、個人名の表札が出ていた。可愛い扉。


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その扉の上部横のお写真。


追って: 詳しく教えていただいてありがたい。
1.京都市役所は西と東があって、
それぞれ昭和2年と昭和6年に建築。
設計は武田五一と中野進一。

2.新風館は旧京都中央電話局の建物。
大正15年と昭和6年の2期に分けて建築、吉田鉄郎の設計。

3.平楽寺書店は仏教関係の学術書を扱う老舗出版社。
建物は昭和2年の建築、からきや工務店の設計・施工。


     
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by noone-sei | 2010-09-01 02:38 | ときおりの休息 参(12)


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