65夜 うろんな書庫まつり 四 番外編

Book! Book! Sendai 2010レポート その4 おわり


一箱古本市を順調なすべりだしで迎えた昼どき。
王様から「どぉ?」と電話。
「お昼に行ってきまぁす、と行ったきり戻ってきません・・」と吉田屋遠古洞さん。
ふたりは兄と弟のように仲が良くて、たいへんよろこばしい。
留守の間も吉田屋さんとわたしの本は売れていたそうだし。
・・って、そういう話ではないのだったか。

実はそのころ、うろん書店店主のセイは、一人でうろんな行動をとっていた。
「うろん」とは胡乱と書く。簡単に言うとあやしいという意味。
路地裏というの?裏路地というの?
商店街の華やかさから横道に逸れると、わくわくするような細い路地がある。
その裏路地が気になってしかたなかったのである。
店番を吉田屋さんにお願いして、うろうろうろと横丁を徘徊、別世界に紛れ込んでいた。

商店街の横に数本ある横丁は戦後の名残り。
仙台は空襲を受けているので、戦後の焼け野原の露天から市場へ、
そして映画館ができて娯楽が生まれ、仙台で最初に復興したのがこの界隈。
街が整備されビルが建ち、華やかで整然とした街並みになったけれども、
この界隈には当時の匂いが残っている。

うろうろして入ったのは小さな寿司屋。
狭いその通りには寿司屋が何軒もあるので不思議だ。
「お昼、食べられますか?」
と、のれんをくぐったら、お客が一人いて、
そのおじさんはカウンターで冷酒を飲みながらお好みで寿司をつまんでいる。

寿司屋は親方というの?大将というの?
握るのは息子に任せた大将がテーブル席に居て、わたしにカウンターの奥を勧めてくれた。
昼は驚くほど安価で、敷き葉ランに一個付けで丁寧に握ってゆっくりと置いてくれる。
スズキの昆布締めが旨くて常温でお銚子を一本頼んだ。
鳳陽というその地酒も安価で、初夏に合うさらりとした美味さ。
カナガシラという魚を初めて知った。
さりげない会話もちょうど良く、最後は初物の枇杷(びわ)を出してくれた。

ひとり蕎麦屋とかひとり寿司屋とかが平気って、わたしはおじさんかもしれない。




□横丁のお写真
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壱弐参(いろは)横丁


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横に並べて二枚のお写真。
この横丁には「New Elegance(ニューエレガンス)」という素敵な喫茶店があって、
京都の「イノダコーヒ」が味わえるのだそう。礼儀正しい接客で、年配の客もくつろぎに来るとか。
喫茶店っていい感じ。こじゃれていたら緊張する。
普通のおじさんが静かにたばこを吸ったり新聞や本を読んだりする場所だと思う。
そしてそういう場所をカフェとは言わないんじゃないかな。




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文化横丁

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横丁の建物のひとつを裏から見た窓。


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横に並べて二枚のお写真。
活動写真館「文化キネマ」があったから「文化横丁」と呼ばれるのだとか。


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新富寿司。いい昼だったから写真はないが、こんなお店で、こんな店内



■おまけ

ハランとは
カナガシラとは  (生魚の写真なので、苦手な人は見ないほうがいい)
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by noone-sei | 2010-07-08 01:13 | 書庫まつり(12)


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