本が呼ぶってことはないか? 銀や金に光るような背表紙に目がすいっと行くんだ。 そんなふうにして本屋で手に取った本は、「取る」というよりも、「採る」か「捕る」だ。 この地では本屋らしい本屋が今はなかなか見つからない。 昔はバス停の時間つぶしに入る、小さな間口に小さく痩せた親父が店番している店があった。 不思議なことに店の床は道路から一段低く、歩く革靴と運動靴の音を聞き分けられる寄木(よせぎ)だった。 役所のすぐ近くの裏路地だったので、 実用書から純文学から耽美なもの淫靡なものまでぎっしりと棚が埋まっていた。 いや、役所の人間が皆そうだからというわけじゃないが、頭の片隅を現実世界から 少し離していられる職種というんだろうか、世俗離れしたものをまだ読んでいられる者が多くないか? そこは篠原勝之や丸尾末広やつげ義春を飼っているような本屋だった。 探せば、76年から十号だけ刊行されたという新書館の雑誌、 「ペーパームーン」なんかも置いてあったのかもしれない。 別冊「グレープフルーツ」にはハルノ宵子なども掲載されていたのだそうで、 その頃それらの雑誌を知っていれば、読んでみたかった気がする。 自覚的に偏愛するという志向はいつの頃にもあって、 奇妙なものに魅かれ、それがなんなのか知りたくなるのは自然なことじゃないかな。 いつしか、かたくなに興味対象を希少の文化に求める者や、 いつしか、創作者でありたいと望む者が生まれたりするんだが、 なかには市井(しせい)の趣味人のような美学者がいてもいいように思う。 創作をする者と美学をする者には隔たりがあるんじゃないだろうか。 知識に感応して深く発酵する愉しみは替えがたい。 けれども創作は架空を醇化(じゅんか)させる、得たものを切り捨てていくことだ。 感応したまま創作をすると、脂肪のついたものができあがることもある。 先日、大きな町に行った。大きな本屋には、棚のあちこちに仕掛けがある。 「○○書店」と銘打って、その町に住む数名の作家選りすぐりの本が棚に並んでいた。 おすすめ本リストという印刷物まで用意されている。 彼らを形作った一部であろう本の群の並びは愉しかった。物語作品が多くあったことも興味深かった。 作家たちの作品も並んでいて、感応と創作をどう折り合わせたかを垣間見られてこれも愉しかった。 「佐伯一麦書店」の棚から、本が呼んだ。ちかちかと光ったのは文庫本。 ![]() カレル・チャペック 『園芸家12カ月』 中公文庫 ルナール 『博物誌』 新潮文庫 これを王様にあげよう。 ひとりの愉しみを満喫してもらって、あとでお裾分けにいい話をいくつか聞かせてもらおう。 本には呼ばれるのだが、当たりのそれを読むのはいつも王様で、いつもわたしではないんだ。 ■書店を開いていたのはこの、仙台在住の作家たち。 皆、大きな賞をもらっているそうなんだが、いままでぜんぜん知らなかった。 ・佐伯一麦・瀬名秀明・三浦明博・熊谷達也 ■仙台市はこんなところ ![]() ![]() ![]() 仙台・宮城オールロケの映画を観た。映画制作や撮影に地方都市が全面的に後押しをしている。 映画ゴールデンスランバー せんだい・宮城フィルムコミッション協力 原作:伊坂幸太郎 仙台在住 ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
セイさん、おはよう! 私も本屋さんが好きです。 うらぶれた感じの、独特の匂いのする小さな本屋さんから、 隅々まで綺麗で明るい大きな書店まで。 置いてある本も、並べ方も違っていて、わくわくします。 普段は好きな作家の本ばかり、何度も何度も読み返すので、 新しい作家の本には手を出さないのだけれど、 ワンダーランドに舞い込んだ興奮で、 なにかの拍子にカチッとスイッチが入ると、 持って帰るのが重いくらい、買い込んでしまうことがあります。 でも、やっぱり硬直化しつつある私の感性には合わず、 一度読むと凍結状態になり、処分されてしまうのですが。 都会のマンション暮らしでは、読まない本を置いておく余地もなく、ああ、こんなことなら図書館で借りるんだったと後悔することもしばしば。 しかし、何度後悔しても図書館で本を借りる気持ちにはなれません。面倒なこともありますが、本屋さんのほうが圧倒的に好きなのです。 ときどき巡ってくる「カチッ」というサインは、本屋さんでしか味わえないからなのかもしれません。 チャペックとルナール・・・ なかなか渋い選択と思ったら、ご自分で読むのではないんですかっ(苦笑) 仙台にはまだ行ったことありません(福島も)。 噂では「しょーじ」さんが多いらしいと聞いてますが、 行くんだったら冬ではなく、夏がいいです。 こんにちは! 本屋さんは、大きいのも小さいのも楽しいですね。 でも好みで言うと、小さな木造の薄暗い店が好き。 いつもマンガを買っている近所の本屋さんがそれで、 店の中に特にいい本があるわけではないけれど、 あの空間が心地よい♪ 普段は配達してくれていおるのですが、たまにこちらが出向き 買うついでに、世間話をちょっとっして… なんといのか、昔の木造校舎そういう感じっぽい。 以前はこういう本屋さんが沢山あったのに、 今はもうニ店舗しかなくなっちゃった。 あの独特のにおいもいいのにな~。 仙台って都会なんですよね~。 チャペックに、ルナール! いいチョイスですね〜。(´ー`) ダーシェンカは持ってますが、「園芸家〜」は有名なのに 持ってないです。。。誰かプレゼントくれないかしらん。 王様、いいなー。 グレープフルーツ、時々買ってましたw 高いので(たしか、当時四百なんぼ???)たまに そう、萩尾望都が表紙の時とか、描いてる時とかに 買っていました。いい雑誌でしたよね。うん。 ハクママ こんばんは! ハクママも本に呼ばれるのね?気持ちいいですよね、あの一瞬頭が飛ぶ感じ。 45夜は、小さい本屋さん大きい本屋さん、ワンダーランド、、、 書きながらそういう言葉がキーワードになっていたので、 ハクママから、そっくりそのままの言葉が出てちょと驚いたです。 どっかで不思議なシンクロをしてたのかなぁ。 図書館の本ね。わたしは児童書や絵本やお裁縫の本は図書館で借りることにしてます。 あ、海外SFミステリーとかもだー。 娯楽ものとHow toものは、家にとっておきたくないからですー。 でもね、こっちでは充実した本屋さんって、ほんとなかなかない(泣) できるだけネットでの取り寄せはしたくないので、つらい~~ おおおお。ステキな本屋さん♡ あぁ、あと、夜想とも置いてあったら最強ですね。 micaと神保町巡りをしようしようと言いつつ10年以上経ってしまったw サンリオSF文庫探しに行きたいですw しょーじさん、 そぉですか?渋い「引き」でした?呼ばれたんですよ~ はい、自分では読みませんっ(笑) 驚かれるでしょうが、わたしは少女期で、活字がいっぱいの本を読むのを ほとんどやめてしまっているのですよねー。 庄子さん、東海林さん、などがわたしの知っている「しょうじさん」です。 けっこういますね、そういわれてみると。 初夏の南東北(みなみとうほく)は、さくらんぼ食べ放題かなー、 お風呂は年中あるので、いつでもどうぞ♪ ひすさん、 あ、そうそう、明かりも大切だった!蛍光灯がぴっかぴかでは、隠れる所がありません。 (なぜに隠れる?) ひすさんの好みの本屋さんはわたしも好みです。 木造の本屋さんかぁ、、、こちらにはもうないかもです。さみしぃ。 仙台の大きな本屋さんには椅子がありましたよ。 こちらにも一軒そういう本屋さんがあります。 でもわたし、立ち読みのプロだから! 怖い小説はひとりで読めない、でも気になる気になる、、、というわけで、 人が大勢いる本屋さんですっとばし読みをするおばかさんであります。 仙台市は大きくてよく整備された、いい感じの街です。 学生が多いので活気もあります。映画のロケを誘致する活動も盛んですよ。 地方都市は、特色がなくちゃ、ね。 micaさん、 お、ほめてくれるですか~。ルナールはね、ルナールはね、 わたしの嫌いな長いものの記述が秀逸なんですよ~。 「園芸家~」は、読むと園芸家になりたくなるって聞きましたよ。 欲しいものは、念じていればいつか転がり込んで来るですが、 口に出して念じないとアノ方には聴こえないかも。 よっしゃ、わたしも聞こえよがしにお伝えしておきましょ、ふふふ いい雑誌だったそうですね。友達はバイブルにしてたそうです。 an・anとかジュネとかさぶとかも 、、、ん? グレープフルーツ、わたしは知らなかったんだよぉ~ ツレさん、 お互い、素敵な時間にこんばんは(笑) あなぼこな知識なので、ずんぶん大きくなるまで夜想を知らなかったのです。 ユリイカは読んで(めくって)たんですけどねー。 micaさんと神保町散歩!いいねいいね、是非実現させてくださいませ。 そして、いい喫茶店にも入らねばですよ。 実現するまでの気晴らしに、こんな↓ 紙上散歩はいかがですか。 http://www.kosyo-doris.com/ ここにはずいぶんサブカルものを引き受けてもらいました~。 ツレさん、追伸
あのね、micaさんが欲しいものあるらしい。(聞こえよがし)
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