39夜 秋の図鑑  五


今日は雪が積もった。
とぼけたような秋の図鑑は今夜でおしまい。
今夜のお写真は、実。

花も実も喰らい尽くすかのように獣だった鰐号が、すこし人間らしくなった。
何につけ自分ひとりの高エネルギーで自転していたやつが、
自分は太陽なんじゃなくて太陽系の惑星のひとつかもしれない、と気づき始めた。
人類が月にロケットを打ち上げるくらいに長い道のりだった。

アルバイト先で殴り合いの喧嘩をして、あわやクビになるところを
上司や同僚に詫びを入れて一からやり直させてもらったこと。
若い者同士の事故を起こして、言葉少なに事実だけを語り、
重過失傷害で訴えられるのを免れたこと。
数え上げたらきりがないトラブルを 途中で放り出さなくなった。
上司や王様がよく言ってきかせることに、耳なし宇宙人にならなくなった。

ひとり暮らしを始めた時、光熱費の支払いやら国民年金やらなにやら、
銀行や役所の手続きを一度でできたことがない。
字が読めないんじゃないかと思った。
目なし宇宙人の道のりも長かった。

脳みそがやっと開花してきたか?
実に成る日がいつか来るか?
そうしたら、少しは字も読めるようになるか?




十月末の猪苗代、まだ秋だった頃のお写真の数々。
鰐号の母だもの、すっかり雪の冬に秋の図鑑とは親子そろって脳みそに花畑がある。

■実の図鑑
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これはズミという植物。・・へんな名前。


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ズミと似ているが違う植物の実だったような。


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不思議な植物。よくよく見ると、葉に規則性がない。葉先が、三本指のようだったり親指のようだったり。


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小マユミ。もっと房の大きいマユミはうちの庭にある。ままごと遊びが似合う実。


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野生のムラサキシキブ。
美しく深い紫だけれども、源氏物語は平安絵巻よろしく絢爛な恋物語だから、
紫式部の名を冠するには清楚すぎるような。


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ウルシとその実。赤い枝にこんなに真っ白い実が成るとは知らなかった。


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ウバユリの実。もとの花は知らない。


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名前がわからない実。この赤い実を静かに引っ張ると糸で垂れている。
鳥に啄(つい)ばんでもらいたくて、風で揺れる。DNAの成せるわざは素晴らしい。
鳥に種を遠くに運ばせるための知恵を植物のDNAは知っているのだ。
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by noone-sei | 2009-12-19 03:05 | 秋の図鑑(6)


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