90夜 等しく迎える朝


もうすぐ四月。
子供たちは耐えている。
いいことばかりじゃないんだとちゃんとわかっていて、
逃げちゃいけないんだということをわかっているから、だからつらそうだ。

余裕綽々、やる気満々で中学生になるかのような風呂敷を広げても、
ほんとうは王様の袖をつかんで離さなかった小粒にも、

塾ではけたたましく笑い声をたてて毒づいて噛みつく勝気さで売っているけれども、
ほんとうは吐き気をこらえてやっと学校に行っている仔猫にも、

お守りの五円玉をカードを買う税金に使ったと見栄を張っても、
ほんとうは気が小さくて合格発表の日は行方知れずで大騒ぎを起こし、
翌日合格していたことがわかった上等!にも、

あんたたちお子ちゃまとは違うと醒めた目で同世代を見つめても、
ほんとうは「見て見て、わたしだけを見て」」と言っていたいのに言えないレイコさんにも、

学年が変わるという儀式が君たちを待っている。
背中を通して君たちの瞳が見える、泣きそうだ。

また一年間、見て見ぬふりをしてあげるよ。
そして祈るよ、・・君たちに等しく同じ朝がくるように。
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by NOONE-sei | 2005-03-26 18:05 | 百夜話 本日の塾(9) | Comments(2)
Commented by kururi at 2005-03-29 12:22 x
若い子を見ると羨ましくなるのは、年をとった証拠かな。
わたしが学生の頃より、今の子たちの方が、たくさんのプレッシャーに囲まれて大変そうな気がしますね。
選択肢が広がりすぎるのも困ったものだ。
でも、押しつぶされそうになりながらも頑張る君たちを、羨ましく思う私たちもいるのだということを忘れないで欲しいですね。
Commented by NOONE-sei at 2005-03-30 20:38
くるりんさんのようなお姉さんに、年をとったは、まだまだ似合わないけれど、
そうですねぇ、羨ましいという感覚は、その未来の大きさを思うときに年少者に対して
年長者が感じることかもしれませんね。
振り返れるわたしたちには、こんな世の中でも未来がちゃんと大きいとわかるのだけれど、
今の子たちは未来に希望を持たせるのがたいへんです。
そして人間関係が下手で、なのにがんばってとても疲れてしまうようです。
くるりんさんのはげまし、いつかきっときっと、子供たちに伝えますね。
その気持ちはわたしも同じだから、伝えつづけますね。ありがと。
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