春彼岸は墓参り。 本家で、ぼたもちと、青菜とふきのとうを和えたおひたしと、 これは必ず作る、切り昆布と車麩の煮物を馳走になった。 毎年季節に食するもの、慣わしに食するもの、変わらずに墓前に供えるもの。 毎年変わらず替えることというのがある。 季節に合わせて装いを替えること。春には春の装い。 ちかごろ雪が降って、春だと思っていた体が驚いて、体感温度が低くて寒い。 それでも、素材は厚物でも色は春物。 このように、着る物の素材や色に思いをめぐらし、 着る物に季節と相談をすることを美しいと思う。 食生活も同じように、野菜も白いものから青みのあるものへと替えてゆく。 白菜や大根から、かぶれ菜や野の物へ。 ところでまだ春は名のみの風の寒さ。 母とほとんど毎日、昼の陽のある時間に犬を伴って散歩をしている。 ひとりで犬を連れていたときには、よく休耕田でノビルを採ったり小川でセリを摘んだりした。 犬はわたしの道草をのんびり待っていてくれた。 ふきのとうやつくしもそのようにして食卓に上ったのだったが、今年は野の物が摘みにくい。 母は父としていた散歩をわたしとするので、道草を食わない。 それに加えて子犬は待たない。 先日、紅梅の赤と連翹の黄に、白い山からこぼれた雪がちらついて、 それでも風をよけながら歩いていたらふきのとうをみつけた。 ちかごろとんと見かけていなくてとても食べたかったので、 母に子犬を任せて休耕田に入り摘んでいたら、子犬は待っていなかったらしい。 ・・子犬はぱくんと食うんだという。 しかも、ふきのとうを選んで。 * * ここでちかごろの野のお写真を載せたいところなのだけれど、 まだゆとりがない日々なので、食べ物のお写真を載せて冬から春を感じてもらおう。 父を偲ぶ食事会での前菜。このときはまだ二月初旬だったのに、ホテルが春らしい献立にしてくれた。
by NOONE-sei
| 2009-03-29 02:46
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