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96夜 天界と下界


天界からは初雪がとうに降(お)りた。
初雪の降(ふ)る晩はいつもそうなのだけれど、
底冷えがするのでなんとなくそろそろだとわかる。
古い骨の傷がきしきしと、しんしんと、それを知らせる。

雪は降ってしまえば、積もってしまえば、心なしか温かいのだけれど、
こうも寒を呼び込まなければ初めの雪は降りてこないものだろうか。
「凍み死んじまう」と田舎の年寄りは言う。
ひとも凍(し)みて凍(こお)るほど、寒いと感じるのは、
秋から冬が急にやってくるから。

天界と天上界というものにはちがいがあるんだろうか。
そのどちらかわからないところから白いものが降りてきて、やがて霜にあたると、
下界では青い野菜が甘くなる。
青い野菜が冬のものだと知ったのはそう昔のことではなく、
凍みてだめになる野菜と、凍みて青みを増す野菜の別が、今でもよくわからない。
けれど、白い野菜のことはわかる。ふっくらとするから。

ゆうべは、カブを皮のついたまま、丸ごと煮た。
大根ならたとえば鶏肉と一緒に塩味で煮る。
白菜はフライパンで蒸し焼きにする。
お百姓のようなわけにはいかないが、うちの畑の白菜も、すこし巻いてきた。

今朝は外のバケツに薄氷が張っていた。
次は何色の野菜が甘くなるんだろう。





本日の「おとなしい」子犬。

子犬は今日もあばれています。
お写真からは想像できません。


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by NOONE-sei | 2008-11-28 02:16


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