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80夜 末広がりであるように


受験本番直前のこどもたちの、今夜は最後の円卓だ。

受験にはシャープペンシルではなく、鉛筆を持っていくように。
芯が折れたときに、新しい芯を出すのにカチャカチャと執着するよりも、
鉛筆のほうが原始的でずっといい。
年頃だからHBを使いたいだろうが、小学生になったつもりで濃いBを使うように。
 などなど、王様が諸注意を話すと、
  「質問!」
  「五円玉、持っていっていいスか?」

へ?五円玉?ご縁があるように?

  「オレ、ポケットに入れてくぞ。」
  「オレ、筆入れだ。」
  「オレは、カード買うときの税金に使っちまったーー、しまった!」
  「オメーー、それはマズイだろ、それはーー。」
  「・・・どこに置いたかわかんなくなっちまった・・・」
  「オイ、それもマズイべ。」

なんの話?

  「ほら、アレ。アレのときにもらったアレ。」

アレという代名詞はあっても、アレという名詞はない。

  「・・・もらったよ、な。クリスマスんとき。」
  「んだべ、んだべ。」

そうか、
クリスマス会のときに用意したお楽しみ袋にシャレで入れた五円玉のこと、覚えてたのか。
円卓のこどもたちは、それをお守りに使うんだという。

円卓のこどもたちは、目前の受験に闘いにゆく。
祈っているから。
円卓の騎士たちに、末広がりがあるように。
by NOONE-sei | 2005-03-07 19:21


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